夏の青空

入院25日目。
放射線治療17日目。


朝からいい青空である。
暑さもこれからと
いう所であろうか。


病室の窓からは通勤している人々の列が遠くに見えている。
病院という極めて特殊な世界の中で過ごしていると、だんだん
世間とズレて来てしまいそうな感じがして時に恐ろしくなる。
看護師さん達もいろいろであるが、時に「むむ、社会人として
こんなこと教えて貰っていないのかなあ・・・」などとふと首を
傾げてしまう方などもいる。いやそれは失礼な書き方かもしれ
ないし、偏見もあるのかもしれないが。


細かく書くと細かいやつだなあと呆れられそうなので書かないが
(こんな事書いている時点で呆れられているだろう、うむ)
ちょっとした言葉の使い方や気の配り方のなかに、ああ、
看護学校を出てすぐに社会に出て、そして病院・病棟という極めて
特集な世界で仕事に追われていると、接遇やありゃこりゃやらに
多少の不具合が出るのはどうなのか、いやでもそれは致し方
ないのかもしれない自分が気にしなければいいだけではないかと
思ったりするのであるな。ああ俺ってやなヤツ。


まあそれは兎も角大概の看護師さんは忙しい中出来うる限りの
仕事をしているのである。そして僕は仕事もしてない病人である。
そんな事気にするのなら手前の社会人としての接遇や仕事ぶりは
どうなのだとすぐにブーメランの如く跳ね返って来るのである。
例によってそんなに食欲がないので青汁を混ぜた牛乳とコーン
スープとクロワッサンという僕には似合わないヘルシーで
おしゃれな(どこがじゃ)な最近の定番朝食を採りながら
こんな細かい事をぶつぶつと考えておったのである。いいから
はよ治して社会復帰しろってんだ。


言葉遣いや仕草は大切だけれども、気持ちが伝わるかどうか。
今の僕は不満ではなく、感謝をどう伝えたらいいのかもう少し
考えた方がよかないかい。今日は少しだけあれこれあった
けど、でもこうして助けて貰いながら平和に終わろうとしているぜ。
こんな日もあるさ。
明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。