運河を渡って

先週の退院以降、体調が
本当に優れず、今までの
抗がん剤治療の中でも
最もしんどかったか
なあと思ったりした。
これからも続くのだが。


そんな訳で昨日は地震
騒動の中最悪のコンディションで1日を過ごしたのであった。


ある駅で午前8時発の電車に乗り換え、しんどいなと
思いつつシートに腰掛け目を瞑っていたら、いきなり
「ドドドン」と車体が揺れた。スマホ緊急地震速報
ほぼ同時に鳴っている。だめじゃん。でも直下型って事
なんだよねきっとこれって(実際そうだった)。
駅員が大急ぎで乗客全員下車をアナウンスして回り、
僕も含めた乗客は全て改札の外へ。どうやら大阪北部は
もっと強い揺れだったようだが、僕がいた所でも結局
電車はもう動かないとの事で幹線道路に出た。
幸いすぐにタクシーを拾えたが、周辺はもう人でいっぱい。


運転手と地震に関する雑談などしつつ国道に入った頃には
車も混雑しだしたような感じ。歩行者もいっぱいだ。
何だか更に気分が悪くなって来た。何か、混乱している。
職場に着いたが、現状を調べる間もなくある病院へと向かい
ある方と共に医者に会ってあれこれ話をしている。その時
だけは気が張っていたのか気分の悪さは飛んでいたが、
帰社後はもうのびていた。吐き気とめまいとだるさが
一気に押し寄せて来た。だめだこりゃ。


しかしこんな状況である。取りあえず電話だ。ケアマネと
して安否確認開始なのだ。でも回線不通となっている
地域が多い。すぐ近くでさえだめだが、それは直接訪問した。
携帯電話からなら通じる方もいた。訪問・電話で次々確認。
皆さん大丈夫だと確認完了したのは夕刻になってからだ。
要支援の方などは出掛けてたりなんてのがあったね。
被害状況としてはテレビが倒れて壊れたお宅があり。
仏壇がずれた、書棚が揺れたが本は落ちなかった。転び
そうになったが耐えた、など。けが人は幸いなかった。


近くのコンビニに買い物に行った事務員さんの話によると
おにぎりやパンがまるでない。交通事情から商品が届いて
いないのだろう。国道ではっひっきりなしに救急車や
消防車のサイレンの音。被害程度は想像出来ないが、でも
僕の職場がある地域では大事にはなっていなさそうだ。
でもJRなど交通機関はストップしており、都心もしくは
北部へと向かう程に大変だったというのは帰宅後知った。
これら対応の為だけではなかったが、帰宅する頃には
僕はすっかりのびてしまい、歩くのも結構きつい状態だった。
その夜は何度も吐き気とだるさと腹痛などに襲われ、
テレビも見ないでとっとと寝たのだった。余震があった
らしいが気付かなかった。


阪神大震災の時を思い出した。あの時も大阪はかなり揺れたが
すぐに日常へと戻った。淀川を渡らないと震災の現実は
知る事もなかったと思う。でも、今回も出なくていい死者が
出た大きな震災だったのだ。都市機能も一時混乱した。また
何時こんな災害に、そしてもっと大きな災害に見舞われるか
誰にも判らない。北部のケアマネは、しかし結構対応に
追われているとある方から伝え聞いたのは今日の事だった。


悪い夢を見て寝汗をかいて、すっきりしないまま今日も
出勤した。昼まではしんどかったが夕刻には少し落ち着いて
きたみたい。このまま体調が安定してくれたら助かる。
仕事と、自分の病気とだけを見ていたが、久し振りに
世間を見るきっかけが震災だった。全てにおいて僕は
疲れているのだと思った。