朝、子猫がいた。

午前中から雨だった。
どこもかしこも蒸して
いる。空気がしつこく
絡み付いて来る感じ。


入院や受診、体調不良から
動きが思うに任せず、
雨の中兎に角自転車に乗ってあちこちへと走った。焦っていた。
吐き気がひどく、コンビニや役所のトイレに駆け込んでは
えづき、気だるさから前をゆくじいさんのふらふら運転
自転車さえ追い抜けず、アタマもあまり回転していない。
それでも訪問やら書類作成やら今月滞っていた事を今日で
どうにかしたいと思っていたら、午後から少し持ち直し、
なんとか動けるようになった。ありがたい、一気にやる。


夕刻、17時頃だったか、最後の定期訪問先へ向かう途中で
豪雨にやられる。濡れたが、すんでの所でずぶ濡れと
まではいかずスーパーに駆け込んだ。もう吐き気はなく、
気持ちは張っていた。隙を見て出発し、無事訪問を終えた。
どうにか今月もノルマ(?)達成。問題ありな案件も
あるが、来月に持ち越しか。でもそれはやむを得ない。


事業所に戻ると18時。オーナーや先輩から身体がすっかり
濡れている事を指摘され、こう言われた。
「タクシーを呼ぶよ、今日はもうそれで帰宅する事!」
「今風邪でもこじらせたら、あんた死ぬよ、さあ、帰り!」
書類その他を少しまとめたかったが、有無を言わせず
タクシーが呼ばれた。 「領収書とっといてね〜!」


申し訳なかった。こんな身体じゃなければもっと活躍
出来るのに。折角信頼して貰って入れて貰った事業所
なのに、こんな程度でへたばったり最大限に気を使って
貰ったりで情けなかった。タクシーの中で少し泣きそうに
なった。嬉しいのと情けないのとその他諸々色々な
感情が混じっていたのだろうか。そして少し報われた
ような気も、そうだ、していたのだ。


最近気持ちが落ち込み気味だった。身体の調子が
悪ければきっとそんなもんだ。俺も潮時か、なんて
思ったりも。でも、可能性があるのなら何度でも
頑張ってみようかなと思い返した。ちょっとした
優しさや気遣いや、そして必要として貰えている
らしいという気持ちが、こんなポンコツみたいな男を
支えてくれたりするのだ。僕は恵まれている。
恩返しをする為には、まだくたばる訳にはいかないのだ。


少し気持ちが落ち着いた。今日は少し食欲も沸いた。
いい事は巡って来る。アテにしたらそっぽを向かれるが、
期待しなければ忘れた頃に巡って来る。
明日明後日はのんびり休もう。少しでも体調を回復
させなくては。明日もいい日にしてみせますよ。
ではまたね。