雪が降る

日中雪が降った。自転車の
サドルに雪が積もった。


空を越えて風は唸り、
閉ざされ覆われた人々が
自由だったり夢だとか
称するまやかしだったり
出来損ないの生真面目さとか、くり貫いた惨めさの再確認
だったりをしているような歯痒さや立たない面目やしらばっくれた
表情の群れだったりが、空を越えて落ちて来た。佇み、呆然と
在るだけの日々の中に。

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事業所懇親会に参加する。ただ疲れたが少しは食事も摂り、
お酒はビールジョッキに3分の1程度であとは呑むふりをし、
適当に名刺交換したり情報交換したり。でも、疲れた。
復帰した事を知っている人もいれば、何も知らない人も
いる。僕がその人の何たるかを知らないように、誰も僕が
どうなっていたかなんて知らない。そんなもんだしそれで
いい。


空に月が見えた。雪はどこへ行った。こつこつと積み上げて
何かを取り戻そうとしている僕はこれから何処に行こうと
しているのだろうか。何を目標にしたり何を支えにしたり
すればそれなりに納得出来るのだろうか。ぼんやりと歩いた。
気を張っているつもりだが、疲れているのかな。今日はもう
休もう。誰にも言えないぽっかり開いた心の中の穴ポコを
ふと見たような感じがする。20代くらいの頃、毎日そんな
気持ちになっていた事があったっけ。懐かしい辛さだわ。
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。