ゼリー食

夏の暑さを残した中で
仕事をこなしながら入院
までの日々を待ち、しかし
気がついてみると手術も
終わり2週間以上。
今日から10月となっていた。



10時間に及んだ手術後、医師によると経過は順調であると。しかし
僕自身の体調が安定せず、発熱や下痢などを繰り返している。
経口摂取に関してはようやく2日ほど前からゼリーのみが出されて
おり、誤嚥性肺炎を防ぐ事が当面の目標となっているらしい。
当然だが、食べた気がしない。栄養補給に関しては腸に管を通して
そこから栄養剤を入れる「腸ろう」を当面行なう。その他にも
書かないが、大いに不便な点がある。おいおい解消されていく
らしいが、いい気はしない。


大阪国際がんセンターのデイルームから見える大阪城公園とその
上空には触れる事は今出来ないけれども、どうやら秋の風が流れて
いるらしい。時の流れの中で、いろんな事が変わり、変わらず、失い、
捉え得て。色々なものを失ってしまったような、そして今後得る事が
出来ないような、しかし失った以上に得るもの、これから得ていけるで
あろうものもまたあるのかもしないな、なんて漠然と思ってみたりも
する。いずれにせよ、僕は生きている。それはどてっ腹に刻まれた
手術痕だったり、一時的とはいえ全身に繋がれていた管の類の記憶
だったり、次から次へやって来る不安定な気持ちの揺れだったりと
いう現実により確認出来る。


今日は久しぶりに少しだけ体調がいいみたいだ。ここ数日はやや
辛かった。でもそれも身体が新しい状況をどうにかして受け入れ
ようとしているからなのだろう。でもまだ完全に日記を再開する
気力はないかも。もう少し気持ちに明るさが出て来てくれたらな・・・
不安なのか。未来への? 迷わずとも進めばいい筈なのにね。
秋空のように、どうしたら気持ちも突き抜けて遠くへ飛ばせるの
だろうね。せっかく生き残れたってのに。それだけでも素晴らしい
事のはずなのに、何故だ。まだ、なかなか気持ちが落ち着かないの
だろうかね。心がついてきてくれないのだ。


それでも、明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。