茶そば

10日ぶりのがんセンター
である。今回は耳鼻
咽喉科の受診と呼吸
機能検査、マスター
負荷心電図検査を
受けている。


咽頭に出来ていた腫瘍は、期待していた通りでほぼ
消滅していた。元々ごく初期のもので、食道を先にどう
にかしてからでも良かったらしいけれどもそれなりに
いや結構心配していたので少し安心した。「ほぼ」なので
僅かに残っており、それは食道のオペが終わってから
内視鏡で削ぎ取る事で一応無くなる。勿論油断は禁物で
定期的な検査はこれからずっと受けなくてはならない
だろうが、それはそれで良いではないか。一先ず安心
しておこう、今の所は。抗がん剤ってすごいね。身体
にはかなりきつかったけど。


さて、現在の僕は声の出が悪くなっており、嗄すれていて
声を張る事が出来ない状態だ。歌も歌えなくなってしまった。
折角今年から少しずつ音楽をやれないかなあ歌えないかなあ
などと考えていた矢先の事だったので、結構凹んでいた。
反回神経という発声に関わるらしい神経が食道の原発巣で
圧迫されて麻痺しているのだろうというのが医師の見解で、
ネットで調べるとほぼ症状が一致している。治るかも
しれないし、このままかもしれないが、6月、つまり今回
抗がん剤放射線治療で入院する直前の検査では声帯の
片方が動いていない状態だった。しかし現在は不完全ながら
その片方がちゃんと動いているらしい。声帯そのものは
荒れておらずきれいだった。


退院して以来発声練習をしている。少しずつ声が出て
きているが、歌えるにはまだ程遠い。今日、医師の
許可が出たのでオペが終わったら(治るかどうかは
兎も角らしいが)ボイストレーニングなんて受けてみても
いいかななんて思ってみたりしている。既に低音域は
どうにかなるかなという所だが、高音域がまるで出ない。
上記したネットで調べたら、同じように歌いたいのに
歌えなくなってしまった方の苦しい状況が綴られていた。
胸の手術を受けて暫くしたら、しかしある日突然声が
出るようになったそうだ。それは羨ましい。僕もそう
なってくれないものだろうか。歌手じゃないけど
歌いたい。ギター弾きながら。


受診後、がんセンターの1階にあるレストランでかきあげ
そばを食べて職場へと向かった。ケアマネは喋れてなんぼ。
歌もいいけど先ずは日常会話をしっかりと取り戻したい。
大体どうにかなっているけど、雑踏の中で声が張れない
のが悔しい。絶対に取り戻してやる。食道の影響による
嚥下不良もそれなりに辛いものがあるけど、こうして
そばを食べられるし、オペすりゃいずれ治せる。声だって
完璧とはいかないかもしれぬが、取り戻してやるのだ。
負けるもんか。


早くも明日は週末か。焦りそうだけど何事も焦らずに。
きっと良くなる日が来るさ。
明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。