入道雲

入院38日目。
放射線治療26日目。


昨夜は結局21時過ぎに
放射線治療に呼ばれた。
地下の治療室に行って
みると、何人もの患者が
待っていた。機械の故障で
こんな事になって患者もスタッフも大変だったのだろう、
いや僕も38度の熱の中で治療を受けた訳だけど。でもその
光景を見たらもう文句も言えなく、というか感じなくなった。
みんな大変なのだ、苦しいのだ、頑張っているのだ。
苛々を抱えていた自分が何とも恥ずかしくなった。


その後今朝までに何回も血液を採取し、抗生物質が出た。
炎症が起きていたようだ。身体が弱っている。気持ちも
また弱っている。どんなに苦しくとも、強い心を保ち続け
られるようになれたらいいが、人間は弱い。僕は更に弱い。


弱いから情けなく感じ、だからこそ反省したり人にはやさしく
なれたらいいなと思う。治療室や、エレベーターや、コンビニの
レジでちいさな心遣いを受けた。それを心遣いと感じてしんどく
ても謝意をどうにか告げた。しんどい時ほど、心に刺さって来る。
いい事も悪い事も。自分がしんどくなくなっても、今この
瞬間しんどい人たちの為にちいさな心遣いが出来るように
なりたい。そして誰かの、何かのせいにばかりしている自分を
恥ずかしいと思えるような人間になりたい。その時こそ、
弱さが強さになるのではないか。綺麗事だが。


治療は残すところあと2回。苦しさ、副作用はこれからも
当分続くのだろうが、全て自らの再生の為。
明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。