2013年・滋賀県高島市

引継ぎで受けた案件で
事件が起きた。いきなり
利用者さんが行方不明と
なったのである。


各方面に連絡し、警察にも
問い合わせを行なったが
不明なまま。認知症
急速に進行している方だった。自分がどんどん物を忘れて
行っている事を自覚されており、恐らく一番苦しい時期なの
ではないかと。しかし午後になってある街の警察から連絡があり、
無事保護されたと。職員一同胸を撫で下ろした。警察が自宅
へと送ってくれて一応今回はめでたしめでたし。しかし
これからもまた起こりうる可能性大である。ちなみに警察が
連絡してくれたのは事業所の名刺を持っていたかららしい。
それがなかったらどうなっていた事やら。


この方と同じような案件にかつて関わった。そしてその案件
では利用者さんはおかしくなっていく自分に悲観したのか
自死を選ぶという最悪な結末となった。その時は僕は
担当を外れ、引継ぎを行なって既に退職していたが、現在
まで後悔している。その方の二の舞にだけはしたくない。
利用者さんの意向も聴きつつグループホームへの入居へ
向けて動く事となった。それがベストとは思わないけれど
独居で身寄りもなく、自分自身不安を感じておられる方の
これからを考えたらその選択かなと。


幸いまずはショートステイにて受け入れてくれるGHが
見つかったので急いで担当者会議を開催し、その方の
意向確認を行ない、近日中にサービス提供開始の運びと
なった。ケアプラン原案はもの凄い勢いで作成した
(まあそれまでのプランを改変しただけだけど)
うまく運べばショートからそのまま入居へ・・・かな。


嬉しかったのはうちの事業所側がその方の行く末をきっちりと
考え、在宅サービスに、居宅ケアマネの支援にこだわらずに
GH入居への支援を後押ししてくれた事だった。確かに
ケアプラン作成料が減ってしまうけど、それよりも
その方にとって何が今必要なのかを理解してくれた事だった。
以前いたケアプランセンターではそうはいかなかった。


心配なのはショートステイ開始までのタイムラグ。その間に
また同様な事件が起きたらもうどうしようもない。明朝
出勤してすぐにその方の自宅に出向くが、もしいなくなって
いたらどうしようかと。しかし後は運を天に任せるしかないか。
独居高齢者で身寄りなし。忘れていく自分への恐怖を持ちながら
在宅生活を続けていた。僕も独り者である。両親は元気だが
いずれ亡くなる。姉夫妻はいるが悪いのであてにしないと思う。
そんな中でもしも将来認知症になったらどうしたらいいのだろう。
一応専門職なのであれこれ考えてはいるが、はてさて。
とりあえず明日、だな。明日もいい日にしてみせますよ。
ではまたね。