日没後

訪問すると最低でも
1時間は滞在する事に
なる話の長い利用者
さんをケアマネとして
担当している。


最初の頃はその話の長さと
よく解らない昔話に正直辟易していたが、ある頃からその話に何故か
面白みを感じ出したのと、雑多な包括職員としての業務に逆に辟易
し出してケアマネとしてシンプルに、直接利用者さんと関わる事の
大切さを感じ出したので今では可能な限り時間を取ってじっくりと
話を聞くようにしている。独居で話し相手もいないし、娘さん達も
おられるが忙しくてほとんど関わりもなく(あっても話が長いので
きっと敬遠されているのか・・・な?)主な話し相手はケアマネで
あるこの僕だけ。元々話好きな方のようなのでそりゃ絶好の話し相手に
なるわな。


でも、最初は感じなかったがその方の話す周辺地域の戦後以降の歴史に
ついての事柄は本当に興味深く、そしてその方が苦労して来た時代の
話は今では傾聴に値する貴重な記録だと思うようになった。色々と生活面で
心配な点もあるのでモニタリング訪問は要介護者並にひと月に1回は
自主的に行なうようにしている。その度にお話を伺うが、経験値の
多さと内容の多彩さにいまだに飽きない(こういう表現は不謹慎かも
しれないが、本音である)。今では訪問を愉しみにしてさえいる。


地域包括ケアの推進だとか、包括主催のあれこれのイベント事だとか
その他諸々何かとかた苦しい。行政からの委託事業であり、公務に
順ずる立場なので仕方がない面も多々あるが、最近はそんなかた苦しさに
疑問を持つようになってしまった。まあこれは自分の能力のなさを
痛感しているという言い訳に過ぎないのかもしれないのだけれどもね。
でも、本音だ。僕はいずれ居宅ケアマネに戻った方がいいのかも
しれない。疲れている。疲れて思考が停止気味になり、アイデア
浮かばない。くだらないミスも続いているようだ。


TOPの写真は利用者さん宅からの帰路、少し離れた場所にある橋の
上から撮影。一瞬だけど小樽運河の風景を思い出した。何もかも
捨てて20代の頃みたいに北海道を放浪してみたくなったが、でも
もうそんな事は現実的ではなくなっている。あれはあの頃だったから
成し得た事なのだ。今の自分に出来る事をまがりなりでも積み重ねて
行こう。それしかないものね。寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。
ではまたね。ああ、明日もお仕事でございましたっけか・・・