嬉しかったのだ

暫く前から関わっていた
案件で、急速に認知症
進んだ方の娘さんからの
支援依頼を受けていた。
この度どうにかこうにか
グループホームに入所
されたと娘さんから連絡が
あった。


徘徊やその他困った情況が次々と襲い掛かり最初出会った頃娘さんは
本当に憔悴されていた。役所で包括を紹介され連絡し、たまたま電話に
出たのが僕だった。そして直接関わり始めた。介護保険の申請から
訪問調査の同席、その後の根回しなどなどそれなりに頑張った案件だったと
思う。でも本当にこんなやり方で良かったのかなあと心配もしていた。


本日連絡を受けた後、娘さんが包括を訪れた。僕にお礼を言いたいからと。
そんな事別にいいのにと思ったがわざわざ来所頂いた事は素直に嬉しかった。
その娘さんは司法書士をしているとの事だったが、僕にこんな事を言って
下さった。 「役所でここを紹介された時、ああきっとたらい回しにされるの
だなと思ってがっかりしてたんです。でもj-45さんが親身に動いて下さった
お陰でやっと落ち着きました。私も人と関わる仕事をしていますがj-45さんの
人との接し方や質問への答え方や対応している雰囲気には本当に色々と
学ばせて頂きました。仕事をしていくってどういう事なのかなって。
本当にありがとうございます。一番きつい時に助けて下さって」


最初にお会いした時の憔悴し切った表情がウソみたいに晴れやかだった。
そして僕はこんな風に理路整然と(たとえお世辞と判ってはいても)感謝して
頂いた事は初めてだったので何だか恥ずかしくなってしまった。でもそうだな、
僕は人と関わって仕事をしているんだ。人付き合いが悪くて友達いなくて
いい歳こいてひとりもんであれもこれも欠けている男だけれども、それでも
ほんの少し位は誰かの為になりたかったり、何かを成し遂げたかったりなんて
気持ちが残っている・・・と思う。報われる事なんてないし、それが当然だと
常日頃思って仕事をしていたが、今日は何だか少し報われ、救われた気がした。
報われる為に仕事をしている訳ではない。でもたまに報われたらしい事を
感じると、心が震える。この仕事をしていて良かったと思う。娘さんは僕を
かいかぶっておられるが、実際はかなりの駄目人間なのだ。それでも、
心が、震えた。今日1日だけでも、僕がこの世に存在している価値があった
(おい!)


寝ます。支援者として未熟なのはわかっている。でも頑張るしかない。
明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。