深夜のうた
深夜の天王寺は、
しかしまだ眠りには
程遠い。
でも電車はもう
とっくになくなって
いた。天王寺から西成へ
歩いてみる。
何年か前もそんな事
したっけか。1月10日午前12時過ぎ。
釜ヶ崎へ
要塞 西成警察
三角公園 危険と云われる場所だが、かつての僕には慣れた場所だった。
このドヤ街に入り込んで仕事をしていたのだった。
寒風。アジ文(?)を眺めつつ浴びる寒風。暫し佇んだ。
緊張感と、相対して不思議な安堵感。
誰もが避ける街だ。僕ももう此処で働こうとは思っていない。
でも何故か懐かしく、不思議に落ち着く。あまり良い事ではないか。
国道に出てタクシーを拾い、帰宅した。感じの良い運転手さんだった。
かなり酔っていた。でも不思議に醒めていた。様々な事が変わり、
その一方で何も変われない僕がいた。安定を求めていながら、
おかしな刺戟も求めていた。誰かに一緒にいて貰いたい気分であり、
でも一方で誰にも関わって貰いたくない気分でもあった。矛盾が
何の違和もなく同居していた。人に関わる仕事をしているのに、
自分の本音には無頓着過ぎた。そんな事がそろそろ嫌になっていた。
でもどうしたらいいのかわからない。どうしたらいいのだろう。
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。