急ぐ男

街路樹

帰宅の電車に乗り、
何時もの駅で乗り換える。
乗り換え駅はかなり
沢山の乗降客がある。


乗り換えの際、ある
時間帯の電車に乗ると
何時もいる男が目に
ついた。スマホ
ゲームか何かに興じているらしいが、画面に想いっきり目を近づけて
傍目から見てもおかしな感じである。その男は乗り換え駅が近付くと
扉の真ん中に他者の侵入許さじとばかりに立ちはだかり、扉が
開くやいなやアズスーンアズで走り出す。でも乗り換え駅の次の
電車の発車時刻はまだまだ余裕がある。兎に角急いで乗り移りたい
らしい。何をそんなに急いでいるのだろうか。


その男の姿は滑稽に映ったが、他の(主に男性の)乗客達も続けと
ばかりに急いで動いている。何だか不思議な気持ちになった。
朝は皆忙しいので急いでいる。僕も少しでも早く動きたいので
早足で駅構内を進んでしまっている。でも帰宅の途につく際は
のんびりしたい。だからぼんやりと歩いている。少しでも早く
帰宅したいのかなあ。帰宅したらそこには安らぎやら何やらが
待っているので一刻も早く進まねばと思っているのだろうか。
気持ちは解らいではないが、そんなに急がなくてもなあと。


どうでもいい事ばかり目に入って来る。疲れているのだと思う。
急ぎたくなくても急がなくてはならない心持ちなのだろうか。
ずんぐりとした体型で見た目からおかしそうなスマホゲーム男の
事を何だかおかしくて気味の悪い奴だと思っていたが、案外
僕も急いでいて余裕がないのでおかしいのではないかと最近思う。
せめて他者から見て挙動不審に見られないような努力だけは
しておこう。それこそどうでもいい事か・・・何書いてんだ俺は。
急ぐな。急ぎたいけど、急ぐな。


寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。