大衆食堂

昨日の研修ではお昼
休みの食事をどう
しようか少し考えた。


周辺にコンビニと
ラーメン屋があるが
あんまりそんな気分
ではなかった。確かすぐ近くに大衆食堂があった事を思い出し、
ちょっと入ってみた。僕が子供の頃にはもうファミリーレストラン
主流で、家族でそういう所に行くのが愉しみだった。大衆食堂に
入る事もたまにあったが、野暮ったくてハンバーグもステーキも
ない地味な存在だった。でも今はめっきり減った大衆食堂をたまに
町で見掛けると入ってみたくてたまらなくなる。なかなか機会が
なかったが、今回叶った。


コンクリむき出しの床に少なくとも40年以上は変わっていないと
思われる店内の様子。大阪の大衆食堂ならではなのかどうか
知らないが、棚に沢山の惣菜が値札と共に並び、客は店の人に
「これ、もらうで」とひと声掛ける。すると店の人は「あっため
ましょか?」と問うので好みでそうしてもらえば良いらしい。
僕は豚汁定食など頼んでみた。ご飯は小・中・大から選べて
値段は変わらないらしい。分からないので中にしたが結構な
量だった。少食気味なので少し苦しかった。ご飯に豚汁に棚に
並んでいるおかずが一品どれか選べる。僕はサバの煮付けを選んだ。
素朴だけれども本当に美味しかった。たべログ投稿者の
皆様ほどの度胸はないのでメニューの写真はありませんけど。
お客さんでいっぱいだったし。


店内は時間が緩やかに流れていた。でも外に出たら途端に
慌しさに連れ戻された。子供の頃はハンバーグが好きだった
けれども、いまはサバ煮だったりだし巻きだったり豚汁だったり
する。チェーン店でも食べられるけど、何かが違うのであった。
僕が以前勤めていた下町には、まだこの写真の食堂よりももっと
古めかしい雰囲気の食堂が幾つも残っているが、いずれも
入った事がないまま町を去ってしまった。だから僕は何時も
慌しい時間の中にしかおらず、緩やかに時が流れる空間の中には
遂に居なかった。慌しい時間の中でしか食事が出来なかった。
今もそれは変わらないし、そのままで時が過ぎて行くのだろうね。
僕は食べる事を大切にしていないないまま来ているのだなあと
最近感じている。今さらどうにもならんが。


研修には多くの意義を感じなかったが、大衆食堂に意義を感じて
帰宅した昨日であったのであるなあ。そして本日からはまた
お仕事再開でございます。早速慌しさの中におりまする。
いい歳こいた恋心など、所詮は慌しさの中に埋没するのだろう。
まあいいや。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。