街の風

釜ヶ崎・2007年3月29日

どんな街でも長く
通えばそれなりに
愛着めいたものが
心に芽生えるのでは
ないか。


長くいればそれなりに
その街の風に馴染んで
来る。馴染み過ぎて
未だにかつていた街の風を求めてしまう。その街には風がいつも
吹いており、無意識に受けていたその風はいつしか求めなければ
得られない貴重なものなのだったのだなと、ふと気づく。だから
求めるのか。あんなに雑然としていて、あんなに無節操で、あんなに
きたなくて、でもあんなにストレートに人の心が通い合っていた街も
他に知らなかった。今思えば不思議で貴重な経験だった。


今通う街にも風が吹いている。この風はまだまだ僕には馴染めないが
いつの日か求めてでも受けてみたい風になってくれるのだろうか。
今までもそうだったように、悪戦苦闘しながら新しい仕事に
喰らいついて、その街の中で自分を確立させて行く事が出来るの
だろうか。まだここへ来て半年も経っていないが、早くも訪れた
壁にぶち当たって少し悩んでいる。僕はこの街に来て何が出来るの
だろうか。


以前いた街の風を知る方々と、明日は久々にお会いして呑み会
なんざする事となった。懐かしい街での日々を語り合うのも
たまにはいいだろう。皆、今はその街を離れてしまった。僕が
一番最後まで残ってしまっていたが、そんな僕も遂に離れましたよ。
今の僕は、どこまで先に進めているのだろうか。こんなやり方で
いいのだろうか。損得抜きの関係の方々と語り合う事で、何かが
見えて来るかもしれない。結構愉しみにしている。
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。