街の風
どんな街でも長く
通えばそれなりに
愛着めいたものが
心に芽生えるのでは
ないか。
長くいればそれなりに
その街の風に馴染んで
来る。馴染み過ぎて
未だにかつていた街の風を求めてしまう。その街には風がいつも
吹いており、無意識に受けていたその風はいつしか求めなければ
得られない貴重なものなのだったのだなと、ふと気づく。だから
求めるのか。あんなに雑然としていて、あんなに無節操で、あんなに
きたなくて、でもあんなにストレートに人の心が通い合っていた街も
他に知らなかった。今思えば不思議で貴重な経験だった。
今通う街にも風が吹いている。この風はまだまだ僕には馴染めないが
いつの日か求めてでも受けてみたい風になってくれるのだろうか。
今までもそうだったように、悪戦苦闘しながら新しい仕事に
喰らいついて、その街の中で自分を確立させて行く事が出来るの
だろうか。まだここへ来て半年も経っていないが、早くも訪れた
壁にぶち当たって少し悩んでいる。僕はこの街に来て何が出来るの
だろうか。
以前いた街の風を知る方々と、明日は久々にお会いして呑み会
なんざする事となった。懐かしい街での日々を語り合うのも
たまにはいいだろう。皆、今はその街を離れてしまった。僕が
一番最後まで残ってしまっていたが、そんな僕も遂に離れましたよ。
今の僕は、どこまで先に進めているのだろうか。こんなやり方で
いいのだろうか。損得抜きの関係の方々と語り合う事で、何かが
見えて来るかもしれない。結構愉しみにしている。
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。