時の流れ

雨降り

雨降りの休日であった。
平日なので取り敢えず
手数料が掛からないと
云うせこい理由で銀行に
行き、地元のショッピング
センターをぶらぶらした。


ショッピングセンター内
では、車椅子を押して
進むヘルパーさんがいた。見ていたら何故か気持ちがじんわり
暖かくなってしまった。以前は僕もこんな風にやっていたっけか。


訪問介護のサ責を辞めて行く時、何人かの気難しい利用者さん達が
それまで見せてくれた事もないような笑顔で「頑張って生きなよ」
とか「これからどうするんだ」とか「寂しくなるわね」なんて本気
だか冗談だかも解らないけど掛けてくれた言葉を思い出してしまった。
「頑張って生きなよ」ってのは、重度の障害者に云われたんだっけか。
あんたこそ頑張らなきゃいけないだろ・・・でも嬉しかったっけ。
あの時は泣きそうになった。いや、この僕が人前で泣く訳はないが、
しかし実は家に帰って独りになって、酒呑みながらこっそり泣いた。
気難しい方だからこちらも負けるものかと振舞ったが、今思えば
もっと違う関わり方が出来たかもしれなかったのだよね。
まだ、ご存命だろうか。生きていてくれ。


それは兎も角、僕の住む町でもこうした光景が近年よく見られる
ようになった。訪問入浴の車がとあるお宅に定期的に来ていたり、
近隣のグループホームにお住まいの方が職員と一緒に散歩している
光景も時々見掛ける。他所の町に出掛けて仕事をして、帰宅したら
寝るだけに帰って来る僕の町だが、こうして時々町をうろつくと
時の流れを感じてしまう。


頑張って生きているつもりだが、こんな生き方でいいのだろうか。
負けっぱなしで来た反動で負けず嫌いになってしまったらしいが、
そして自分に負けるのが嫌だと嘯いてみたりもしているが、
結局何をどうしたいのかよく解らなくなっている気がしないでもない。
ただ時だけが流れて行く。でも、解らんなりに生きて行くしかない。
何だか疲れた。でも明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。