冬型

夏の終り頃に退職を
考え始めたのに
気がつくと初冬に
なっていた。


初冬、だろう。この寒さは。
気がつくと街路樹も次第に
紅葉して来ている。遠く
フィリピンにて甚大な被害をもたらした台風が過ぎて行ったが、
僕の街には木枯らしが吹いていた。僕が今日見た運河の風景はもう
冬の空。8月の終わりにこの運河を渡った事があったが、僕が退職を
考え始めたのはその頃だった。此処へ至り漸く終わりは見えて来た
ように思われるが、具体的な終わりはまだ決まっていない。暫くは
こんな話ばかりを書く事になってしまうのだろうか。とある事情から
引継ぎにはまだまだ時間が掛かりそうだ。ああやだやだたまには
違う事書きたいや。そろそろこの話やになった。

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ふと気づいたが、今年は僕が旧東海道を徒歩野宿にて歩き通した
旅をしてから丸10年が経っていた。この日記でも数年前に
[21世紀東海道旅人]なるカテゴリで当時旅先で書いていた日記の
抜粋と写真を此処に載せていたが、今回はそのカテゴリを久々に
使ってみよう。そうかあれからもう10年も経ったのか。あの旅の後、
僕は現在属する業界に入ってしまい、しかも何にも考えずに入ってしまい、
散々な目に遭いつつもしかし案外馴染んで今日こんにちまで過ごして
しまった。まあ、あの頃の極端な不安定さに比べればそれなりに
自分がやらなければならない事が見えて来た分、今の方がマシなのかな。


そう考えると少し気が楽になった。おいあの頃の俺、まあ一応今の俺は
ケアマネやってるよ。東海道を歩いていたあの頃の俺に比べると気力や
体力は落ちているかもしれないけれど、あの頃の俺よりは先の見えなさ
加減は減ったし、将来への不安に押しつぶされそうな感覚も少しは
減ったよ。うん、どうせなるようにしかならないのだ。そしてなるように
しかならないけれども、しておいた方がいいと思える事があるのもだんだん
判って来た。それだけでも少しは進歩したかな? どうだろうかね。


東京日本橋京都三条大橋にも、今日は木枯らしが吹いていたのだろうか。
そこは10年前の今頃、始めようとした場所であり、辿り着いた場所だった。
寝ますか。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。