運河を渡って

運河の向こう、海の
近くにある病院に
入院された、とある
利用者さんの面会に
行った。


思っていたよりも
深刻ではない状況
なのでひと安心した。また、元の暮らしに戻れるだろう。
そんな状況なので利用者さんとの会話も明るい内容に始終出来た。


運河を渡る風は昨日同様爽やかなもの。夏の終りがやっと来たか。
いやまだ怪しいぞ、またあのじめじめした風が吹くのはもう沢山。
でも今日は何て風が爽やかなのだろう。結構な距離を自転車で
走って病院まで来たが、あまり疲れなかった。陽射しはまだまだ
強いが、風が変わったお陰だ。




風と空。季節の変わり目は感覚的に解る。風も、空も、遠くなる。
風も空もやがては遠くなり、やがては変わるもの。僕ももう少し
頑張って変わらねば。変わる事で何かを捨てなくてはならないの
かもしれないが、全ては変わり、遠くなる。それだけは確かなのだろう。
運河を渡った。違う街へ行った。違う季節がそろそろ来て、違う道も
そろそろ探さねばならなさそうだ。


違う街の風は悪くなさそうだったが、飛び込んでみないと正体は
解らない。そこにも様々な人々の様々な人生があり、そこから
僕の人生もまた変わってしまうのかもしれない。
今の事業所を辞めようと考えている。世話にはなったが
納得のいかない事が山積して来た。移籍しないかとのお声を
ある方から頂いている。有り難い話だけれども、これまで自分で
最初からこつこつと創り上げて来たものを捨てて、つまり
関わって来た利用者さんの問題のある生活への支援を見捨てて
しまうのではないかとの負い目を感じる。どうしたらいいのだろうか。


運河を渡った。風や季節みたいに僕も平気に変われたら楽なのに。
当面悩みそうだ。でも明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。