tempest

近年音楽を聴かなく
なったなあと思う。


この日記では初期
(2005年頃)は結構
様々なアルバム
(何故か60年代から
70年代のフォークや
ロックばかりだったが)
の感想文もどきを何度か書いてしまった記憶がある。


その後は貧乏ヒマなしを地で行く生活が続き・・・いやまあ
今もそんなに変わり映えはしないのだが。ついでに休日も少なく
なって気持ちに余裕が無くなって行った。たまの休日はもう
何もする気が起こらなくなって、酒呑んだくれてぐだーーーっと。


現在も疲れてぐだーーーーっとした生活はあんまり変わらないが、
休みは一応貰えているのでまた音楽を聴いたりしてみたいなあと
思い始めている。でも、誰を聴いたらいいのだろう。僕はそもそも
携帯端末に音楽をダウンロードして持ち歩く事も全くしなければ、
カラオケに行く事もごくごく稀な位音楽を身近に置かない人間である。
その代わりにもならないが、楽器を弾く。ギターやピアノやウクレレや。
まあいずれも練習嫌いが祟ってまるで上達しないし、ギターに到っては
暫く前に少し指を痛めてしまった事がきっかけで触る事すらあんまり
していない体たらくではあるが。


しかし、ふと気づいた。この人がいた。この人を聴いていればよいのだ。
つい先日、35枚目となるオリジナルアルバムをリリースし、今年、活動
50年目、71歳となり、80年代後半、ガキだった僕がたまたま存在を
知ってその作品に触れ、「俺が聴きたかったのはこれなのだ!」と
その後の音楽的嗜好を決定づけてくれたこの人を。


テンペスト・デラックス・エディション(初回生産限定盤)

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括弧書きで、何故か60年代から70年代のフォークやロックばかりだったが、と
上述したその原因がこの人だった。しかしそうなってしまった事を僕は
およそ後悔してはいない。そこから僕なりの世界が広がったからだ。
勿論マニアではないので突き詰めるほど様々な音楽を聴いた訳ではないが。


スピーカーから流れて来た71歳のじいさんの声は濁って汚かった。
高級な音楽再生装置を持たず、PCにくっつけたサンワサプライ製の
安もんスピーカーだからそんな風に聴こえてしまう訳ではない。
しかしこんなに凄い歌手は他にいない。この力強さと凄みは一体
何なのだ。2年7ヶ月前、今はなき大阪南港のZepp Osakaでこの人の
ライヴを観た時の事を思い出した。2010年3月11日の事「ディラン、現る。」


この人は「フォークの神様」でもなく「生ける伝説」でもなく、ただ歌手だ。
但し特別な声を持っており、特別な魂を持っている。そして誰よりも
「人」である。英語の解らない僕は中川五郎氏の手になる対訳を目にして
ふむふむと内容を目で追うが、しかし案外どうでもいい。やはり声なのだ。
この声に何かがあり、全てがある。それを感じていられる事が単純に嬉しい。


tempest とは嵐を意味するらしい。シェイクスピア作の最後の戯曲とも
同名だそうだ。但しそちらは正確には "The" が先につく。嵐が通り
過ぎたら、この人は何処へ辿り着くのだろうか。その行く末まで僕は
付き合わせて貰えたらいいなと思う。


ウームまた無駄に書いてしまった。でも今回は(も、だろ)書かせてくださいな。
明日も早いぞこんなクソ文書いてる場合じゃないぞと思いつつも。
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。