タチアオイ逞しく

先日突然入院された
とある利用者さんの
担当医から再びの
呼び出しがあり、夕刻
病院を訪れる。


担当ケアマネたる僕の
同席のもと病状についての
更なる説明があった。


しかしその内容は、実質的な「告知」であった。


患者たるこの利用者さんにとって、治療の継続は全人的にみて
不適切であるとの医師の判断が下されたのである。利用者さんは
どうやらその事をもう察知されていたらしく、延命措置を自ら
拒否なされている。あとはもう、時を待つのみとなったのだ。
「ターミナル期」を迎えられた。容態の急変も充分に有り得る。
医師からはその際の対応についての丁寧な相談を受けている。
いいお医者様に担当して貰えたと思う。きっと最善を尽くして
下さる筈だし、そう信じたい。「治療」ではなく「緩和ケア」の
為の最善を。


ケアプランセンターの24時間対応の為の携帯電話の受け持ちは
今週は僕ではなかったが、頼んで持たせて貰う事とした。こんな時に
ケアマネに出来る事はほとんど無いと云えるが、少しでも出来る事が
あると解った。可能な限り対応したいと思う。


その方は今も病院のベッドに横たわり、時を待っておられる。
明るい表情で僕を迎えてくださったが、やがては去って行かれる。
僕に出来る事がひとつだけあった。何時も通りに振舞う事だ。
深く、強く奥底で受け止める。でも、感傷と干渉は最低限で
あった方がいいと思う。何時も通り、その方に接するつもりだ。
その時が来るまで。最期まで。


寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。何時も通りにね。