願い・ひと

阿倍野神社にて

移動中にまたしても
神社へ。


一体幾つ参拝すりゃ
気がすむのかとも
思われようが、
神社と云う場所は
訪れると妙に心が
落ち着くので好き
なのですよ。


人が作り出した空間だけれども、やはりそこには何か不思議な力が
宿っているように思う。僕がこうして仕事をしている街の片隅でずっと
昔からそこにあった特殊な空間なのだ。


数え切れない人間達がそこを訪れ、数え切れない願いをそこに置いて行く。
叶ったものも、叶わなかったものも一緒くたの人間の願いの力が僕には
感じられるのだ。人間にしか出来ない「願い」を置いて行く場所の創造。


地元の人々がさりげなく訪れて、特別の事でも何でもなく鳥居の前で
一礼する。さっとやって来て、さっと参拝して、さっと去ってゆく。
特別な空間なのだけれども、さりげない。こんな場所ってあんまりない。
大きな神社よりも、こじんまりした下町の神社が好き。地元の人々が
当たり前のようにさりげなく日課のように参拝している所が好き。


幾つもの旅先の、ふと立ち寄った旅先のこじんまりとした神社で、
当たり前の日々のいち風景として鳥居の前で一礼する地元の
生活者を幾つも見た。僕は宗教から縁遠い人間ではあるが、思うに
宗教とはこのさりげなさであり、至極日常に則した願いの置き場所
なのではないだろうか。政治や戦争と最も遠い筈の、それこそが。


地元の人のように、参拝。さりげなく、ささやかに毎日を過ごせますように。
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。