忘れない為の忘年会

ハイボール

随分違った所まで
来たような気もしない
ではないが。


しかし馴染んだ
方々と久し振りに
お会いすると、ああ、
俺ってやっぱり
変わりようがなかったの
だなあと再認識したりして。


集まった方々は皆こんなどうしようもない業界の中で、しかし
少しでも自分を先に進ませ、弱者とされる人々の為に力を
注ぎたいと願っている。


僕はどうしようもない時代を過ごしたが、そのお陰なのかどうかは
知らないが、何時の日かどうしようもないとして社会から淘汰されて
しまった人々が、どうにかなれるのではないかという所まで人生を
見つめ直せる所へと自分自身で導いて行けるように支援する仕事に
就きたいと願うようになった。ケアマネ業の限界が見えて来た所為かも
しれないが、しかしこの仕事に就けたからこそ思えた事なのかも
しれない。


懐かしい顔ぶれ。数年前、一緒に何度も夜中まで頑張った当時の主任も
来て下さっていた。今も忙しく日々業務に携わっておられる。当時、
仕事は大変だったが、遣り甲斐があった。誰かの生活を支える為に
働く事って、しんどいけれども愉しい。


僕は空虚な人間だが、そんな奴でも、そんな奴にでも支えられる
何処かの誰かの人生がある。生きたいと願う誰かの人生を。
もう駄目だと諦めかけている誰かの人生を。もう駄目だけれども
自覚した最期を少しでも有終の美とせんが為に生きる誰かの人生を。
そんな気持ちを、どうか年と共に忘れないように。


ハイボールを何杯か呑みつつ、空虚な人間ながらそう考えた。
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。