カバンの穴

雨が近い

僕の仕事に於ける
キーワードは「無難」
である。


それは自身に大した
能力が無い事の表れ
でしかなく、実に
情けないものではあるが、
大きなミスもまた無く
きょう今日までやって
来た。


能力が無いのならば、それを補う何かを発展させる事も要りようで
あると無理矢理考えるようにしている。無難を維持する事もこの
発展の端くれであると思っている(そう思わんとやってられませぬ)

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そんな無難礼賛状態で冒険心の欠片も喪失しきってしまった僕だけど、
本日は大失態を犯してしまいそうになった。利用者さんの重要な
預かりものを一時的とは云え紛失してしまったのである。
紛失したかと思われる界隈の道路を丹念に廻った。交番や郵便局
にも寄って落し物の届けが出ていないか確認した。しかし見つからず。


アタマが真っ白になりかけた。大失態である。


預かりものはカバンのポケットに入れていた。しかしそのポケットに
穴が開いていた事を僕はすっかり忘れていたのだった。「安物のカバンは
やはりいかん、仕事に使うのだからもう少し頑丈で質の良いものに
買い換えよう」と思っていた矢先の失態であった。


取り敢えず事業所に連絡を、そして利用者さんへの弁明と事後対処を。
こりゃあ始末書モノかな・・・


でもしかし、紛失物はひょんな所から見つかった。僕が乗る自転車の
前カゴから。んなアホなと思われそうだが、引ったくり防止用のカバーを
掛けた前カゴの、そのカバーの奥にからまるようにして、それはあったの
だった。 僕が一気に脱力したのは云うまでもない。


何処かに落としていたら間違いなく見つからなかっただろう。
事業所への連絡も、利用者さんへの弁明と事後対処も行なう事なく
当日記への告白的記述のみにて終わらせちまおう。事実上の隠蔽だ。
でもほんっと見つかって良かったぁ・・・・・


兎に角眠い。とりあえず寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。
ではまたね。