年の瀬の孤絶

寝惚け

僕が担当している利用者
さんの中に、今現在意識
不明の状態で、とある
病院に入院されている
方がいる。


先日までとある病院に
いたのであるが、そこから
更にとある病院に転院した。


僕は本日その方の面会に行った。身寄りの無い方なので見舞いに
来る人など誰もいない。担当ケアマネたるこの僕だけだ。
気道切開して人工呼吸器を付ける事で延命しているが、看護士の
話によると、もう植物人間(この云い方って今はいけないのかな。
植物状態、か)になってしまったとの事だった。


僕がこの方に最後にお会いしたのは今月の初旬。お元気そうにしていた。
ヘルパー派遣とデイサービス利用で最低限の他者との交流を持ち、
社会からの孤絶を免れていた。僕がケアマネとなって二人目に担当
する事になった方であり、色々と大変だったケースではあったが
それなりに遣り甲斐があり、これからもっと良い支援が提供出来るの
ではないかと思っていた矢先、この方は倒れられた。


今、病院のベッドで恐らく二度とは目を開かれる事なく、ただ独り
年の瀬を迎えているのである。此処に、孤絶。独りであると云う事は、
こんなに熾烈でなくてはならないのか。縁無き者とはこんなにも・・・


何かあったら私に連絡を下さいと、看護士に名刺を渡して病棟を去った。
何かあったら、か。この先何がある? もう、どうしようもないだろう。
いのちの明滅は、誰の力も及ばない事なのだから。


寝ます。でも、明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。