三重県側の「七里の渡し」



2003年11月25日(火)
雨のち晴


旧東海道徒歩の旅。
その14日目。


6時起床。外はまだ雨。
こういう日はゆっくり出よう。
手持ちの食パンとスライスチーズをサンドしたものとホテル備え付けの
(昨夜は野宿では無く、ビジネスホテル泊だったんだ)コーヒーで朝食。
食後、洗顔、歯磨き、用便。余裕を持って8:20出発。
 

今日も昨日同様、傘とザックカバーのみで雨空の中を行く。
昨日来た道を少し戻り、三重県側の「七里の渡し」跡へと向かう。


 


1959年(昭和34年)9月26日、5000人を超える死者・行方不明者を出したと
いう伊勢湾台風以後、この辺りは護岸工事が進んだそうで、名古屋側同様
風情もへったくれも無い。渡し跡近辺にある船だまりにその雰囲気を
残すのみである。



尚、この近くに本陣跡がある。現在は高級料亭「船津屋」と
なっており、すっかり高級品となってしまった名物の蛤を今でも
出しているという。当然な事ながら、僕にはまるで縁が無い。



東海道中膝栗毛」では弥次さんが「おまへのはまぐり
(つまりは女陰の事)なら、なおうまかろふ」と戯れている
そうな(報知新聞社 刊 「新・東海道五十三次」より)。


いいなあ、そのバカバカしさ!戯れてみたいものです
(オヤジだな・・・すっかり)。少し歩くと「歴史を語る公園」。
五十三次をそれぞれ模したオブジェ等ある。これでもかとばかりに
チープだが、こういうイイカゲンなの大好きである。


屋根付きの休憩所で京都発の東海道旅人に出会う。雨の中、疲労
激しそうだ。お互い辛いですねえ・・・


ルートは民家の中をひたすら進むのだが、何故か交通量が多い。
狭い道なので歩道も無く辛い。早くも腹が減ったので尚辛い。
雨なので更に辛い。


何だか辛い辛いとばかり言ってるな。遺憾。町並の雰囲気的に
コンビニはおろか食堂、商店すら無さそうな感じであったが、
昼過ぎにやや広い道路と交差した辺りに上手い具合にミニストップが。
これは有難い。雨の中建物の中で食事が出来るのだから。カップうどんと
小振りのツナマヨネーズ丼を節操無くガツガツ食う。



次の旧「四日市宿」まではやけに遠く、なかなか辿り着けない。
昼以降天候は回復し助かるが、どうにも体力が回復しない。昨日の
疲れがまだ取れていないのか。途中でお四国帰り(四国88ヶ所巡り
ですね)の屈強なおじさんと出会う。引き締まった肉体と野宿装備に、
おじさんの旅の烈しさ加減が見て取れる。
これは是非あやかりたいものだ。すげーなぁ・・・


かつての旧「四日市宿」はそれ程の見所も無く、淡々と進んでしまうが、
アーケード街がルートになっている所があり、「ここは東海道四日市宿」の
横断幕が目立っている。



以降はまた民家の中の、しかし交通量多しの厄介なルート。
 

そうこうしている内にあっという間に日が暮れる。だが西に来ている為で
あろうか、何気に日没が遅くなっている様な気がする。


宿場を離れ、内部川を渡ると東海道はいつもの様にR1とランデブー状態となる。
巨大なスーパー「マックスバリュー」にて買い物。食パンや缶チューハイ
98円と安くてとても助かる。
 

ルートは間も無く上りにかかり、ヤマトタケルノミコトが剣を杖代わりにして
上ったと言われ、芭蕉が鞍ごと落馬したと伝えられる「杖衝坂」に至る。
急坂だが距離は短い。坂の上は静かな集落になっている。毎回この様な事を
書いているが、R1を僅かに逸れただけでもう雰囲気がまるで違う。これぞ
今回の旅の良い所。ふと振り向くと先程まで苦労して歩いていた四日市
夜景が下方に見える。


ルートは海沿いの平地から又も山沿いに入って行く。


旧「四日市宿」と旧「亀山宿」の間が長かった事から設けられたという
ひっそりとした旧「石薬師宿」を過ぎ、20時頃、いつもより遅く本日の
野宿地を発見。R1と交差する広い道路の鈴鹿川に架かる橋の袂にある広々と
した土手にシュラフを広げる。


夕食は毎度御馴染み食パンチーズサンドとコイケヤスコーン(固執してるのか?
こればっか食ってたなあ)。おやつに買った麦チョコの残りも全部食ってしまう。


残る宿場は9つ。ゆっくり行ってもあと4日程。R1を行く車の流れ。
その高架の下をくぐる鉄道。貴重な旅の日々。
 

同じ場所、同じ季節であっても二度と同じ経験は出来ない。
ふと、寂寥感沸く。この旅がもうじき終わってしまう。


星がとても綺麗だ。何故、僕はここに居るのだろう。何故、
こんな訳の解らない旅になんて出てしまったのだろう。


今夜も野に眠る。そして明日も、三条大橋を目指すのだ・・・

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おおお、今年1月以来の[21世紀東海道旅人]カテゴリの更新だ!!
今まで書いて書けない事はなかったのだけれども、少々面倒臭く
なっちゃってて。このカテゴリ、ちゃんと京都まで連れてって
やんなきゃな。限りなき自己満足の為に。


一日のんびりしております。例によって引き籠っております。
しかし一応お勉強もどうにか進めております。案外いい感じかも。


何時もなら寝る前の更新となる当日記でありますが、本日は何と16時前に
更新と相成っておりまする。何だか妙に気が抜けちゃうね。


ちょっと、じんわりと昔の事でも想い出して、それから明日からの
日々に備えたいと想うのです。まだまだ頑張れそうな気がします。
では、早いけど終わります。明日もいい日にしてみせますよ。