旅する気持ち

メルと共にだらける

昼までのびていた。
どうも気が抜けて
しまったらしい。


携帯電話が鳴る。
事業所の電話の
転送設定は僕の
番号になっていた。


新規のお仕事の
ご依頼が、某施設から舞い込んだ。


長時間のガイドヘルプ枠かいな。いねーよそんなもん受けられる
ヘルパーさんなんてよう。それよりも俺は眠いしだるいんだい。
もう少しだけダラダラゴロゴロコロコログニグニさせておくれい。


ロクに休めやしねえや。でも、ヒマになったらなったでまた
ヒマで困るとのたまうのだろうな、俺って奴ァ・・・・


暫く前に安く買ったスティックタイプのUSBフラッシュメモリ
収めておいた、ちょいとした資料に手を入れる。12月の勉強会までに
出来上がるかしらん? それにしてもこのメモリ、2GBもあるんだねえ。
確か880円位で買ったと思うんだけど、凄いよねえまったく。
数100MB位でも、数年前までは結構なお値段だった筈だったよなあ、確か。

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書棚から久し振りに引っ張り出して、ふと読んだ。懐かしいなシェルパ斉藤
この本では東海自然歩道を徒歩で旅して完全踏破していたんだっけか。
僕は旧東海道は歩いたが、東海自然歩道も歩いてみたかったなぁ。



こんな箇所があった。シェルパ斉藤は旅を始めて6日目に、野宿を一旦やめて
(基本的に野宿ばかりする人だった)何とペンションに泊まっている。食事時、
廻りはグループやカップルばかり。独り寂しく、しかし逞しく旅を続ける彼は、
こんな記述を。

まわりでは話が弾み、笑い声が起きる。しかし、ぼくと
話をしてくれる人は誰もいない。白ワインも白身魚
ムニエルもおいしくなかった。


前日、裏丹沢の避難小屋で食べたふりかけごはんのほうが、
おいしかった気がする。それにこれほど孤独を感じなかった。


東海自然歩道トレッキングで、ペンションに泊まるのは
もうやめようと心に固く誓った。


本文18ページより抜粋。


こんな気持ちを、一体全体世の中のどれ程の人間が理解出来るのであろうか。
みじめで、空しくて、かっこ悪くて、でもどこかで誇らしい。不思議だよね。
旅は、独りでするもの。寂しさやら何やら辛い気持も、まっ正面から全て
受け止めるもの。


長らく忘れていたなぁ、こういう感覚って。
旅に出たいなぁ・・・


いやいや、もう今更きっつーい旅をする気はあんまり無いのですよ。
でもせめて、ほんの少しでも日常から乖離してみたいですのんえ。
20代の頃読み漁った沢木耕太郎や、寺崎勉の野宿ツーリング本や、
このシェルパ斉藤のトレッキング本等を、本日は手当たり次第に
取り出しておりましたのですわいな。


よし決めた、遂に決めた。愛車ジェベルの整備を明日こそするぞ。
簡単な整備だけだけど。保険切れてるから走らせられないけんども。
下手な相撲取りよりも腰が重くなり、動けなくなってしまったこの
だらけ者な僕にやれる事っつーたら、今はせいぜいこの程度・・・


そう云えば、今年はバイクに乗り始めて丸17年目にして、初めて
一切バイクに乗っていない年になってしまっていたりしたっけ。
こりゃあ遺憾だ。極めての異常事態だわいな。


嗚呼、こうやって人は歳をとって行くのねえ、等とほざいておる場合では
無いのだぜ。どうにかしろ、俺。

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欲望は、捨てる無かれ。


明日もお休み嬉しいな。メルくん、寝ますか。
明日もいい日にしてみせますよ。


捨てる無かれ、欲望は。