2003年・旧東海道徒歩旅



2003年11月19日(水)
曇り時々雨。


旧東海道徒歩旅
その8日目。


此処はかつての
旧東海道「岡部宿」。


昨日安部川を渡り、旧「丸子宿」を過ぎ、難所宇津ノ谷峠を無事
越えた僕は、日も暮れた中偶然見つけた「十石坂観音堂」なるお堂にて
野宿した。このTOPの写真はそのお堂から(少し高台にあった)撮影したもの。
この道路はおそらく旧R1ではなかろうか。昨日の青空から一転、どんよりと
した曇り空。しかし気温高く、シュラフから出るのには苦労せずだ。
菓子パン2ヶと、ペットボトルの水で朝食。6:50出発。


静かな静かな、早朝の「岡部宿」。ひっそりとした町中を抜け、やがて
現R1に平行するルートに出る。そして次の宿場たる旧「藤枝宿」へと向かう。
しかし例によって何時の間にかミスコース(この旅ではこんなんばっか
でした)。今回も完全に迷子ちゃん。訳の解らぬ道を延々と歩いてしまう。
我ながらこの方向音痴さ加減にはウンザリしてしまう。


道沿いのクリーニング屋のおばちゃんに道を訊き、どうにか藤枝市
中心部に出る道へ。旧東海道とは全く関係の無い道を延々歩いて
しもうたがーな。どうにか中心部へ。現れた神社のトイレで朝から
我慢していた用を足す。あーホッとした。少し進むと商店街に出る。
その辺りが旧街道だ。本陣・脇本陣等の史跡は、残念ながら残っていない。


雨がポツポツと来たので傘をさして歩く。宿場を出ると一瞬R1に
ぶつかるが、それを横断歩道にて(地下道だったかも、日記には
そこまで書いていないが、そんな記憶が・・・忘れた)渡り
旧街道を更に行く。交通量少なく、松並木が点在しており、
なかなかに良い雰囲気。数km続くとまたもR1にぶつかり、そのまま
合流する。


お昼。セブンイレブンが見えた。そこでお昼ご飯を買おうと進むが、
前方から来たオマワリさんに呼び止められる。何だよ職質かよ。
オマワリさん「茶でも飲んでけ」 すぐ目の前は交番だった。
あれこれ訊かれるのも面倒なので、こちらから自分の事をあれこれ
話す。オマワリさん一応感心してくれ、最後に自宅で採れたという
ミカンと柿を袋一杯に呉れる。しかしザックに入り切れないので
悪いがミカン4ヶのみ頂く。こういう職質ならまた受けたいものよのう。
「京都まで、頑張ってな」 ありがとう、絶対辿り付いてみせるよ。


セブンイレブンにて購入のミニ鶏丼とカップ蕎麦。オマワリさんから
頂いたばかりのミカン1ヶにて昼食。雨は止んでくれて助かった。


旧「島田宿」へ。此処も中心部は商店街となっており、往時を偲ぶ
ものは何ひとつ残されてはいない。しかし、流石は旧東海道屈指の難所で
あった大井川を控え賑わった宿場だけの事はあり、大井川のすぐそば
には、昔の川越人足の番宿を再現しているのであろう建物が復元
されている「大井川川越遺跡」なる施設がある。




中が自由に見学出来る建物も有り、入ってみる。蝋燭の灯りをイメージ
した薄暗い照明の中、畳の上に寝転がると、江戸時代にタイムスリップ
したかのような錯覚に陥る(って、大袈裟か)。蛍光灯の明る過ぎる
光に慣れた目には、何だか妙に新鮮だったりして。


かつての難所たる大井川を越える。勿論現代では橋で越える訳だが、その
橋の長さと云ったら! たっぷり2kmはあったか。 川の水量が今よりも
ずっと多く、流れも速かったであろう当時の大井川を想像すると、
旅人を担いでこの川を渡った「川越人足」って連中はバケモノだったに
違いない、等と思った。しかしその過酷な労務故、彼らの寿命は
大層短かったそうな・・・


川を渡ると旧「金谷宿」に入って行く。東に大井川、西に小夜の
中山峠と難所に挟まれたこの宿場は、往時はなかなかに栄えたという。
現在は、此処もまたのんびりした商店街になっている。一旦は
平地を進んでいたルートは、商店街を進むにつれ、徐々に高度を
上げ登りがきつくなる。商店街が途切れた辺りから「小箱根」と
云われた金谷坂、菊川坂、そして小夜の中山へのきつい登り坂が
延々と続く事となる。町民の運動により、かつての石畳が
再現されているのであるが、疲れた僕の脚には非常に辛い。
無論、あの箱根の石畳の強烈さには及ぶまでもないのだけれども。


辛い中、そして日も暮れた真っ暗な中山峠を下り切り、遂に
旧「日坂(にっさか)宿」に辿り付く。とてもとても
小さな宿場町、しかも日没後の風景。何とも味わいが有る。
本陣跡は、現在では幼稚園になっていた。以下の写真じゃあ
暗くてよく解らないであろうが。



町内の宮嶋酒店にて酒と、昨夜も食べたコイケヤスコーンを
購入し、野宿地にと目をつけておいた宿場の外れにある
事任(ことのまま)八幡宮へ。昨夜のお堂と同じ様にシュラフ
広げられ、しかもトイレも水場も有るものだから、洗髪まで
してしまう。時期が時期だけにアタマは非常に冷え冷えしたが。
でもスッキリ。


昼間、セブンイレブンにて買い込んでおいた食パンに、同じく買って
おいたスライスチーズを挟んだもので夕食。賀曽利隆氏考案の
野宿食である、と書いて「あー、成る程」と思えた方はまず居まい。
居たら貴方はマニアだ通だ。そしておそらく変人だ。


食パンだけじゃ足りないので、先程購入したコイケヤスコーンも
食べちゃった。栄養価の極度に低い旅だ。こんなもんばっかだった。


東京日本橋を発って丸1週間か。当初の予定では浜名湖辺りまで
行っていたかったが、まあこんなものか。


雨がまた降って来た。お堂の片隅に広げたシュラフに潜って
懐中電灯の灯りを頼りに疲れも忘れ、日記を書いたっけ・・・

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うわ、週末に無理矢理書いておりまする。眠いのに。
かつての日記の転載及び加筆・訂正のみなのでそんなに
苦では無いけどね。


5年後の今日、大阪は雨でした。一旦止んだけど、今雨がまた降って来た。
金谷や日坂の鄙びた町々にも、今宵雨は降っているのであらうか?


今週も頑張れました。実は来週早々にも、会議があるかも。
いよいよ僕を、サービス提供責任者なる名前だけカッコいい
その実しんどいだけのポジションに推さんが為の会議が。
でも、勉強になる事だけは確か。やれる所まで、もしやるのなら。


明日は2週間振りのお休みですか。でもこの2週間、どうにか
乗り切れたな。では寝ますか。明日もいい日にしてみせますよ。
おやすみなさいませ。