2003年・旧東海道徒歩旅


2003年11月17日(月)
晴れ。


旧東海道徒歩旅。
その6日目。


前日、第14番目の宿
「吉原宿」を通過した
僕は、富士川の河川敷
にて野宿した。


写真はその翌朝。やや解り難いが、僕の向こうには富士山がどーんと
構えている。凄いなぁ、でっかいなぁ。やはり日本一のお山ですな。


旧街道の富士川橋へと向かうのであるが、またもミスコース。
全く反対に進んでいたらしい。今回の旅はこんなんばっかです。



どうにかこうにか富士川を渡る。富士川フォッサマグナの川。
日本列島の裂け目だ。どうしたものか此処を境にして電力の
周波数も、東は50Hz、西は60Hzに分かれていたりする。


富士川を渡ると旧東海道は高台を行くようになる。道がやや入り組んでおり、
またも迷う。穏やかで鄙びた住宅街をどうにか進む。タヌキをペットに
している家があった。犬小屋ならぬタヌキ小屋。ヒモで繋がれたタヌキが
一匹。写真撮っときゃよかった。美しい一里塚を横目に、更に進む。


新幹線のガードをくぐり、東名高速を歩道橋にて渡るとルートは
下りに掛かり、駿河湾が眼前に開けて来る。間も無く第15番目の宿
「蒲原宿」に至る。


土蔵造りの家屋や黒塗りの塀の家屋や、なまこ壁の商家、旅籠造りの
民家 etc・・・「蒲原宿」は昔の風情を意識的に色濃く残している。
旧街道沿いの町には、そういう所が結構ある。良い感じですよ。
以下の写真のようなモダンな洋館もある。




どうにも体調が芳しくない。脚の具合はどうにかもってくれているが、
気分は良くない。「蒲原宿」では道の向こうから徒歩で日本一周している
男と出会い暫し話すが、ほんっと凄いなあと思った。僕は、弱いね。
元気一杯な彼と話している内に、ますます気分が沈んでしまった。


宿場を出て、旧国道を暫し歩いた所にある薬屋に入り、栄養剤を買う。
東海道を歩いているのだと話すと、店の主人はカプセルに詰める液状の
キヨーレオピンを2粒くれた。これで無理矢理元気になった気に。
更に歩く。旧R1を西へ。間も無く第16番目の宿「由比宿」だ。


唐突ですが「上野ゆい」さんって知ってる方おられます? いねーか。
きょうの健康」の司会をずうっと前にしてた方なんですが。
本名は「上野由比」さんであるらしい。「由比宿」に入って
僕はあまりに唐突ながら「上野由比」さんを思い出してしまった。
この旅をしていた頃は、まだ司会してたと思う。どうだったかな?
勘違いかもしれぬ。


NHK教育の「きょうの健康」は、何故か大好きな「きょうの料理」の
30分前に放送されている。何となく今でも観ている。司会の方も、
アシスタントのお姉ちゃんも何もかもすっかり変わってしまったが。
しかし観始めたきっかけは、白状すると上野ゆいさんだったりした。
って・・・また例によって恥じ晒すのか。でも介護職となった今では
結構勉強になるんですよこれが。こないだなんかパーキンソン病
ついてやってたし。鬱とか、AEDの使い方とか、他にも色々と、ねえ。


遺憾。由比で脱線しちまった。しかし上野ゆいさん、今いずこ?


「由比宿」にて昼食。ケチってアンパンとポテトチップス。酷い内容だ。
名物の桜エビがこの時期が旬だったらしいと知ったのは、旅を終えて
からだった。もの凄く損した気がした。桜エビ料理食べときゃ良かった・・・



JR由比駅を過ぎると、旧街道は上り坂となる。写真は「東海道の親不知」
などとも謂われているらしい「薩た峠(「た」の字は土偏に垂と書くの
だけれども、IMEでは表記不可なので、ひらがなにしてます)」からの眺め。
東海道屈指の絶景だと思うのだけれども、もう少し富士山がくっきりと
写ってくれていたらなぁ。


昨日歩いていた方向の街並みや工業地帯が遥か遠くに見える。
僕は自力のみで、あの風景の中を歩き、此処まで辿り付いたのか。
この約10年前、某バイク雑誌の特集で紹介されていたこの風景。
何時か来てみたいと思ってたんだ。今、遂に来た。僕はしあわせ者です、
本当に、つくづくそう思います。

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第17番目の宿「興津宿」からは久々にR1に合流。此処で日没。
コンビニで早めの夕食。カップ麺とおにぎり2ヶ。例によって
ロクなもの食っておりませんな。この旅ではこんなんばっかでした。


続く第18番目の宿「江尻宿」へ。現在の静岡県清水市だ。
今夜はもう此処で野宿場所を探すしか無い。しかし市街地。
どうしたものか?


JR清水駅近くの西友トイレにて洗顔と歯磨きを。古臭い造りの建物だ。
客もあんまりいない。まんまホームレス同様な男が、古臭い造りの
西友内を闊歩する。


野宿地求めて彷徨う。やはり街中では難しい。だんだん情けない気分に
なって来る。俺って、いい歳こいて一体全体何やってんだろうか・・・


工業地帯の道路脇にどうにかこうにか人目につかず、シュラフ
広げられそうな場所を見つけた。車通り多く、一晩中騒音酷しで
マトモに眠れなかったのだけれども。しかしそれでも懐中電灯の灯りを
頼りにしっかりと日記を書いていたりして。大学ノート1ページ分。
よくもまあやれたもんだわなぁ・・・あの気力は今いずこ?


その気力の残り滓で、本日のブログ更新を無理矢理させて頂いておりまする。
何せ本日は、やろうと思っていた介護レセプト作成にも一切手を付けず、
終日だらしなく部屋に引き篭もってグダグダしておったものですからして。
いやまあこのキチガイ沙汰な暑さの折、何処かに出掛けるのも、ねぇ・・・

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何にもしないで過ぎてしまった7月最後の日曜日なのでした。
しかし明日からもまた、ドタバタとした日々が。


何にもせず、ただただクソ日記更新のみか。でもまあ気分的には楽でした。
気に病む事が少ないのは、ほんっと良い事ですわ。


明日からも頑張ろうぜい。明日もいい日にしてみせますよ。
早いめに、うたた寝しないうちに、おやーすみ。