走れ、俺。

1997年・林道日本一周

1997年10月21日(火)快晴。
林道日本一周の旅。


東北日本を巡り終え、
西南日本を巡り始めて
数日目。


此処は広島県比婆郡
比和町


前夜、この町の外れにある総合運動公園の片隅に幕営とした。
これは一夜を過ごした後、早朝に撮影。靄に覆われた寒い朝だった。
この前日は岡山県真庭郡湯原町にある、ダム近くの道路脇の
小さな草地。何かの記念碑があり、そこにテント一張りがどうにか
張れるスペースをたまたま発見し、無理矢理張った。


それは近くにある湯原温泉の無料露天風呂、「砂湯」に入りに
行きたかったからであった。またもWikipediaに頼ろうか。
湯原温泉


あら、現在は湯原町ではなく、湯原市になったのね。
日没後暗い中訪れた砂湯ではあったが、結構人多しであった。
混浴なので女性も多数。まあ、おばちゃんばっかだったけどね。
周辺は結構立派なホテルやら、温泉地らしく(?)ストリップ小屋
やらあり、なかなかに賑やかだったが、この砂湯の利用者で野宿
なんざしておるアホは、まず間違い無く僕只独りであったかと。

_________________


明けて20日は、蒜山高原へと向かっている。県道114号蒜山大山道路を進み
岡山県鳥取県の県境を越える。県道45号線にスイッチし、激しく
切り立った大山を望む鍵掛峠へ。紅葉は未だピークには達していなかった
ものの、しかしなかなかの眺めであった。


幾本かの林道を走る。しかしいずれも舗装済。只でさえ山陰は
林道が少ないのに未舗装の林道はほとんど無かった。あれから11年。
恐らく舗装化は更に・・・当時の日記には「つまらん」とあった。
元気だったな、俺。お昼には山陰なのに何故か天むすを食して
いたりする。朝は寒かったが日中は汗ばむ位だったとある。


鳥取県日野郡日南町より県道15号へ。峠をひとつ越え、一旦島根県へ。
しかしR314にスイッチし、南下すると間も無く広島県へ。入り組んだ
ルート設定しちまった。面白かったけど。


謎の怪物「ヒバゴン」(雪男みたいなもんか)で話題となったらしい
比婆山方面へ向かい、R314にて広島県へと至る。そしてTOPの写真の
総合運動公園へ。上手い具合に良い野宿地が発見出来た。
グラウンドの片隅にあった水道で洗髪を行い、バイクの各部への
注油と増締めもしっかりと。夕食は米を炊き、レトルトの
「ナスと完熟トマトのカレー」という何時ものボンカレーとは
違い、ちょいとお高いものでした(よーそこまで日記に書いたのう。
今、当時の日記読みながら、我ながら呆れちまいました・・・)。

________________


中国地方の林道の少なさに退屈さを憶えつつも、しかしまだまだ
旅は続く。西へ、西へと走り続ける。


とっぷりと日が暮れた頃、テントの外に出てみると、天の川が。
この林道日本一周の旅では、何度も何度も素晴らしい天の川に
出逢う事が叶ったのだったっけ。星の美しさに何度も何度も
感激し、しかしある時苛立った。そう、苛立ったりもしたのだっけか。


どうして綺麗なんだ、俺の人生はキタナイ事ばっかなのに・・・って。
ありゃ、意味不明だわ。あれは何だったのかいのう。


西へ、西へと走れ、俺。

________________


うむ。一気に書けた。やはりかつての旅人時代のお話は書き易い。
今日は結構体力・精神力を消耗する出来事有りだったりしたのだけんども、
敢えて無理矢理書いてみた。書く事に集中し、酒量も減るからええこっちゃ。


あれから11年。歳は食った。しかしまだまだ走らにゃあならん。
社長に「どうですかね、介護福祉士になった事だし」と声を掛けられる。
何が「どうですかね」だよ胡散臭い。でも、もう少しだけ走らにゃあ
ならんと思っていたりするから、どうすっぺか。
責任有る立場にかい? 面白そうだけんども、取りあえず、保留。


寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。走れ、俺。まだまだ先は長いぞよ。