夏のような日差し

芦原橋界隈にて

人が居ない。
住んで居ない。
旧い団地。


夏のような日差し。


打ち捨てられた団地。
内風呂の無い団地。


街の隅に追いやられた
旧い団地。旧い時代。


夏のような日差し。通りすがりの疲弊した訪問介護員
疲弊した挙句に、そう遠くない内に取り壊されるであろう団地。
美しい市営住宅が、これに取って代わるのであろう。それは良い。
良い事なのであろう。旧い団地は、不自由な歴史の残骸か。
それとも新しい市営住宅が現れても、残骸は怨念となり、居付くのか。



夏のような日差し。



誰も居ない。朽ち始めている。代わったふりでしかない。
取って代わっただけでしかない。居付くのだ、おそらくは。
時代の陰を、今僕は見て、焼き付けて。


夏のような日差し。本当の夏がまた来たら、残骸を見にまた。
来られたら、見に、また。疲弊した訪問介護員として。

________________


寝ます。暑かったね、今日も。でも、もうすぐ雨の季節ですか。
明日もいい日にしてみせますよ。