此処は僕のホームグラウンドになっていた。

阪堺電軌阪堺線今池駅

阪堺電軌阪堺線
今池駅の下。
高架の上に階段で
登ると駅がある。


アーケードが見えるが、
そこがドヤ街釜ヶ崎
入り口。




阪堺電軌阪堺線は基本的に路面を行くのであるが
(解り難いが、車両は1両編成だ)、この釜ヶ崎
真横に観る今池駅がある場所だけは、高架で越える。
高架下には立ち呑みのホルモン屋があり、まっ昼間から
おっさん達が赤ら顔して缶ビール片手にホルモンを喰って
いたりする。


酔って喧嘩してるおっさん達は、駆けつけた警官に
引っ張られて行った。車椅子に乗った両脚の無い
おっさんは何故か何時もこの界隈で呆けてる。
アーケードの中のノミ屋らしき店の前では、未来の
無さそうな兄ちゃんが、今日もまた見張りをしてる。


要塞のように堅牢な西成警察署の周りには、四角公園の
炊き出しに並ぶ人々。あいりん労働センターの中には、
一夜を遣り過ごすシェルターへ入る為に、これまた並ぶ人々。


ここは釜ヶ崎、もしくは、あいりん地区と呼ばれる街。


アル中、精神障害者などなど、いずれ劣らぬ世間からのはみだし者。
僕はこの2年半、そういった人々に主に関わって来た。この街で。
カルチャーショックの連続だった日々は過ぎ、今は何を見ても
あまり驚かなくなった。すべては当たり前のように。不感症のように。


勉強がひと段落ついた事もあり、空き時間に本当に久々に釜ヶ崎
改めて巡る。ああ、こんな街だったよなあ。猥雑で穢くて刺戟的で、
笑える程馬鹿馬鹿しい。何処か強かで、その癖どうしようもない脆弱。
日本一のスラム街。縁は異なもの。僕は、たまたまこんな街に
放り込まれたけれども、結構面白かったかも。普通出来ないよ
こんな経験。いや、経験したくなんかないだろうけど、大概の方々は。


介護福祉士になれたら、職場を変えようとずっと思って来た。
変えたら、僕自身が落ちぶれ身を窶さぬ限りは、もう二度と
この地には足を踏み入れぬ事だろう。


見ておこうと思う、この街を。もっと写真を撮ってみても
いいかもしれない。そんな風に思ってみたりした。もしも
機会があれば、この日記に載せてみたいと思うが、どうなるか
解らない。


安倍首相が辞めようがどうしようが、この街は変わらない。
どうしようもなさは、もう変えられない。再チャレンジなど、
有り得ない。終わった人々の街。


改めて思う。今の僕には、此処はホームグラウンドなんだねえ・・・
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。