家族らんらん

二十歳の原点

「お母さん、お酒、
こっちこっち」


地元のスーパーにて。


お母さんとお酒を買いに
来た、スーツ姿の新成人。




なんて良い子なのだろうか。嫌味なんかじゃない。素直に、
良い子だと、心底思った。何故かは解らないけれど。
どうか僕のような、お馬鹿な呑んだくれにならないようにね。
余計なお世話か。


矢鱈滅多ら暴れまわる新成人。そういうのをこれまた矢鱈滅多ら
採り上げているテレビ局。何となく意識操作をしているような気が
するのは、ちと勘ぐり過ぎかしら。
二十歳なんて、所詮まだまだだ。しかし、それが素敵なのだ。
限界を知らないから、峻烈で、鮮烈なのだ。知らぬを願い、
祝、新成人。知っちゃ、駄目だ、絶対に。

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数日前、商店街でみた光景。
「♪家族らんらん 家族らんらん 家族らんらん・・・」
小さな女の子が、お母さんの手を引っ張りながら、こんな感じで。
お母さん「だーかーら、それは家族だんらん、やろが」と
咎めながらも、しかしどこか嬉しそうに。


どきりとした。上手く書けないので、困るのだが。どきりとした。
怖かった。壊れそうな気がした。そんな筈は無いのだが。
知ってしまったら、何もかも壊れてしまいそうな気がした。
しあわせが、つながりが、あまりにも脆弱過ぎる。今の世は。
壊れるな。


僕は、壊れそうな人々を見て、自分を保っているのか?
否、そんな筈がある訳無い。壊れるな、壊れるな・・・

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おかしいね。もう暫くしたら寝ますね。明日も忙しくなりそうね。
いい事だね。


明日もいい日にしてみせますよ。おやすみなさいませ。
おかしいなあ・・・


壊してしまいたいものと、温存したくてたまらないもの。
いい加減、うんざり、だ。