何の因果か

労働センター脇

家を出ると、抜けるような青空ときりりとした冷気。
ぬぼーっとしていた心と身体が一挙に引き締まる。
駅へと歩きながら、深呼吸をする。力を、抜く。
気分がいい。今日もどうにか頑張れそうだ。
っつーか、頑張れましたよ、はい。

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面白い本を図書館で見つけた。齊藤俊輔・著「釜ヶ埼風土記
あまりにジミ過ぎるのか、「はまぞう」にはありません。
新葉館出版という所から1996年に出された本だ。思わず借りた。
妻と幼い息子と共に、取材(!?)の為にあいりん地区に
棲み付いたルポライターの記録。かなり刺激的だ。
暴力団、オカマ、日雇い人夫、在日、学校に行けない子供達、
アオカン(野宿もん)、ゴト師、その他狂って行くどうしようも
ないはぐれ者達、警察もまたどうしようもない体たらく・・・

覚醒剤などを路上で販売しているのを、まさか優秀な
西成警察が知らぬはずはあるまい。場所は太子町の路地、
三角公園の裏手、某喫茶店も有名だ。そんなこと釜ヶ埼に
住むものなら誰だって知っている。誰だって知っていると
言えば、三角公園で露天の賭場が堂々と開帳されているのは
取り締まりの対象外なんだろうか。

(中略)


暴力沙汰や売春などここでは犯罪のうちに入らないのかもしれない。

本文より抜粋。


今もおよそ変わっておりませんようでして。賭場、あるよ今も。
その他も・・・・ああ、わかるわかる!!!ってな内容やら、
背筋が凍りそうな知らなかった内容やら。


何の因果か毎日のようにこの地区に脚を運んでいたりします。
もう、1年8ヶ月になりますねえ。様々な現実を自ら垣間見て、
世界の矛盾に憤慨し、困惑し、その一方で、生来の気質からか
面白そうだぞ、とばかりにずんずん首を突っ込んでみたりもし・・・
いやいやあくまで垣間見るに留めておりますが。そりゃそうか。
でも、西成暴動の頃を思えば、随分おとなしくなったのでは
ないかと思うよ。年寄りがズズンと増えたし。


搾取する人々も、搾取される人々同様、やがては潰されるんだぜ。

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寝るか。明日も少しだけ早いのよ。今夜は居眠りせず寝るぞ。
明日もいい日にしてみせますよ。