捨てたもんじゃない

ちょっと前まで800円だった

障害者自立支援法の本格的な施行から数週間。
早くもちょいと問題があれこれ起こり始めている。その
詳細を書く気は無い。つーか知識不足があっつう間に
露見されてしまう事必至なので、書けない、か。


ううむ、かなりの悪法であるのだな、という事だ。
利用者さんの経済的負担は増えるわ、僕達ヘルパーへの
給与は減るわ、良い事なんざ一つもありゃあしない。


この業界のウラ話なんぞも含めて自立支援法の事を、うちの
ケアマネさんとあれこれ話している内に、どうにも暗澹たる
気持ちになって来た。先、暗いねえ、この業界・・・いやいや
そんなの何を今更言ってんだって感じではありますが、だが
しかし何とも憂鬱な気分にさせてくれるじゃねえか。


ヘルパー2級の資格はやがて役立たずになるようだから、
介護福祉士にだけは取りあえずなっておかねばならないし、
しかし試験に受かったからって、この程度の資格じゃあ
暮らし向きがググっと上向く訳でもないのは明白だし
ケアマネになっても、多少改善されるかなという程度らしいし・・・
ああ、暗澹たるや我が人生。1日、気が重かった。

____________________


帰宅後、食事をしながら、父にこの事を何となく話す。


「まあ、自分の場合は一回ドロップアウト(単に脱落と書けよ)したから、
人より遅れてるのは仕方ないし、そりゃあ贅沢は言えないけどさあ、
でもこんなんじゃ先が思いやられるよ、嫌になるぜまったく」 


ただの愚痴だなこりゃ。苛立ち紛れに「もう駄目でしょ、この国、役人とか
アホばっかだしさあ」 ガキかよ・・・言ってから恥ずかしくなった
じゃねえか。いい歳して情けないねえ。


そしたら父は、「心配するだけ損だ、日本は・・・いや役人とやらは
確かにアテに出来んかもしれんが、日本人そのものは、まだまだ
捨てたもんじゃないさ、日本人には底力があるんだよ、例えば
戦後の大人達はね・・・・・・・・」 

_______________________


何故か、話が大きく展開、いや転回し、何故か戦後の話や
高度経済成長期にがむしゃらにはらたいら話etc.....


そういう話されると、もう勝てません。おまえは甘い、ってか。
でも、父の良い所は、そういう話を押し付けがましく無く話せる所か。
一応最後は、次の様に無理矢理こじつけ的に話を戻してはくれたし。


「いやいや、何だかんだ言ってもおまえの人生は捨てたもんじゃないんだ、
金持ちは金持ちで、権力者は権力者で、胃が痛む様な状況が幾らでも
待ち構えてるもんさ。今おまえはお金はあんまり無いけど、でも
結構マイペースでやれてるみたいじゃないか、いいんだよ、それで。
無理する必要は無いんだ、まあ、しんどい事はこれからだろうがな、
そん時はまたそん時さ、どうにかなってるだろ・・・・」


大体こんな感じか。解ったような解らんような父の話。
しかし、「捨てたもんじゃない」と幾度も繰り返す父の言葉に、
ああ、そうなのかしらと、この際単純に同意してみる事にした。
そうだね、捨てたもんじゃないのかもね。そういう風に無理矢理に
でも思い込む事が、もしかしたら今一番大切な事なのかもしれんね。

____________________


呪文のように唱えてみた 「捨てたもんじゃない、捨てたもんじゃない」
ああそうだ、捨てたもんじゃない。


「明日もいい日にしてみせますよ」と呪文のように毎晩ここに書いている
ように、今日から心の中で毎日唱えてみようかね。


「捨てたもんじゃない」 負けてたまるかってこんちくしょうめが!