続・見舞い

21時過ぎの商店街

帰宅は22時過ぎ。思ったより早く帰れた。
駅前には、近くの学習塾から出て来た中学生達。
僕より忙しそうな、彼ら。お疲れ様。
僕みたいなへなちょこな大人モドキにならぬ様、
どうか頑張って呉れ給え。

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15時頃仕事を一旦終え、西成のスーパーで食料品を買い込んで、
そいつを事業所の待機室にある冷蔵庫にブチ込んでから出発。
母を、再び見舞う。


父からは聞いていたが、母はもう歩いていた。
いや、それは歩行器を使用しての事ではあったが、それでも
実際に目にするとちいと驚いた。「どう、もうびっこ曳いて
ないでしょ?」「そうだね、いい感じだね、すごいね」
「手術したとこは、もう痛くないのよ。ただ、今まであんまり
使ってなかった脚の筋肉が痛くてねえ・・・」


外来が閉じている為、照明が最小限に落とされた1階へ。
自販機のカップのコーヒーを飲みたいと言うので、買う。
病室はボーッとしたバアサンばかりで話相手が居ない為か、
母は何時に無く饒舌だ。珍しく親子の会話あれこれ。


「自分の思い通りに身体が動かせるって、ほんとに仕合せな
事ねえ、今回つくづく思ったわよ。これからね、頑張らなきゃね」


「死んだおばあちゃんがね、昔っから言ってたものよ、人生は
収支決算でどうのってね、悪い事が続けば次は良い事。前は
悪い事続いたけど、だからこれからは、ねえ・・・」


ゴタゴタしてた事も、かなりあった。家族なんて要らないって
本気で思ってた事も。その癖、完全に捨て去る度胸も無しで。
この数年で、様々な事が漸く落ち着き出した。家族って、
大事なのだな、と、こんなロクデナシにも遅まきながらやっと
理解出来るようになりつつある。反撥ばかりしていた時代も、
今にして思えば必要だったのかもしれない。だが、父も、母も、
僕以上に苦しんでいたのだ。


病室へ戻る。歩行器を使用する母の所作に最大限の注意を向けたのは、
もしかしたら職業柄かもしれない。もしそうなら、こんな僕も、案外
捨てたもんじゃねえなって思う。いや無理からにでもそう思いたい。
18時前、夕食が運ばれて来たのを見届けて退室。

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次の仕事まで、まだ2時間位ある。天王寺Mioへ。新星堂ロックインで
楽器を見る。ヤマハの「つま恋2006限定モデル The FG Sunset」という
ギターのチラシを貰う。拓郎さんと「かぐや姫」のお三方が、それぞれその
モデルを抱えた写真がいいねえ。高いから買えないけど、ちょいと
弾いてみたい気も。だーがしかしヤマハは、70年代前半のグリーンかブラック
ラベル期のものが最高でしょと勝手に思う。その頃のものならヤフオクで安く・・・
遺憾、どうせ弾かないし、それに大して弾けない癖にまーたギターが欲しく
なりにけーり。


隣りのCDショップで、ディランの新作「モダン・タイムズ」を購入。
初回生産限定版のDVD付き。この文章はそのCDを聴きつつ書いて
いたりする。実はあんまり期待していなかったのであるが、
予想外に良いので驚いた。質の高いブルーズのアルバム・・・
いやいや、そんな評価はどうでもいいや。お酒呑みつつ聴いてます。
気が向いたら、このアルバムについて書くかも。あくまで気が向いたら。

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腹は減ったが食う気がしない。でも仕事前なので何か腹に
収めておかねばと、スーパーでざるそばを購入し、モソモソ食す。
そうしてからちょいとひと仕事。


利用者さんは脳梗塞で左麻痺有り。夜の安否確認その他。
母の「自分の思い通りに・・・」の発言を思い出す。
足りない我がアタマながら、思う所多々有り。お仕事
無事終了す。


21時過ぎ、西成の商店街は早くもひっそりかん。そんなもんなのか。
しかし脇に逸れた路地のあちらこちらにある飲み屋やスナックからは、
カラオケの元気な歌声が響き渡っておりました。夜はこれからか。

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ありゃあ、日付が変わっちまった。いや、まあええか。
明日は、いや、今日はお休みだあ。ゆっくり休むぜえ!!
明日もいい日にしてみせますよ。おやすみなさいませ。
ああ、その前に、もうちと、呑む。