そうだ、日本海行こう!

旅の宿・旅の酒・お天気予報

・1日目(5月20日

起床時は青空さえ覗いていたというのに、
出発直前になって雨が降り出した。昨晩
「晴れ男」宣言をしたのだが、やはり日頃の
行いが・・・否、それは思うまい。考え方を
変えよう。出発してから面倒なカッパ着脱を
行わずに済んだではないか。最初から雨天完全装備で
出発していれば、何時降り出すのだと心配する事も無い。
9:40頃出発。たのむよ、ジェベル


大阪市内通過中は結構降られる。しかしどうだ、
新御堂(R423)を通り、池田、宝塚と走る内に
どんどん小降りになるではないか。西宮北ICより
中国道へと乗った頃には、すっかり雨は止み、
青空がどんどん広がり出したではないか!
やはり僕は「晴れ男」だわ、おう。無理矢理
宣言して良かった。まあ、天気予報通りな訳だが・・・


急速に天候が回復してはいるが、風が強い。
相当強い。高速走行時にはかなり辛い。所詮は
250ccの軽2輪である。横風に煽られもう大変。
80km/hでの巡航状態をどうにか維持する。


山崎ICにて降りる。強風下の高速走行より解放され、
ホッと一息つく。


山陽と山陰を結ぶメインルートR29を北上。暫し揖保川に沿う。
カッパもとっくに仕舞い込み、青空の下、気分も上々だ。
しかし兵庫と鳥取の県境となる戸倉峠に至ると一変。雲が
広がり、それまで暖かかったのに、国道脇に設置された気温計は
何と12℃。ずばり寒い。Tシャツの上に久々に出したライダー
ジャケットを着ていたのだけれど、それだけでは足りなかった。
この辺りは懐かしい。かつて何度かこの峠周辺の林道に走りに
来たものだ。寒さにガタガタ震えながら様々な事を想い出す。
ここへ来た事だけじゃなくて。そして鳥取へ。


水森かおりの「鳥取砂丘」を歌いながら(知ってんのかよ!?)
砂丘の観光駱駝の写真を撮ってから、一路今夜の宿へ。


余部鉄橋のすぐそばにある民宿「川戸屋」に到着したのは
17時半頃。予定もへったくれもなく適当に走って来たけど、
なかなか良い時間に到着出来た。すぐに風呂にする。
その後周辺を散策。鉄橋以外見ものが何も無い。ただの
海辺の小さな集落だ。でも僕が求めているのはそんな場所
だから大いに嬉しい。それでいいのだ。賑やかなのはこの際
御免被る。そういうものを避けてここを選んだ。そして、来た。


小さな、小汚い商店が一寸離れた場所にあり、そこで
その他の雑酒・・・ごめん嘘ついた、発泡酒を、いやいや
「ビール」を(クラシックラガーさ!)。旅に出た時くらい
いいよね。ほんの小さな贅沢だよ。その他に地元の酒
「香住鶴」ワンカップ2本。なかなか美味い酒だった。
もう1本買えばよかった。


日が暮れれば、周辺には明かりもおよそ無いこの地は
真っ暗ころん。風情が出るかと思い、部屋の明かりも
すっかり消して、風呂上りの髪、いい香り。もうすっかり
酔っちまって、きみを抱くこともできないみたい・・・♪
ああ、心地良く酔って来ましたわ。湯飲み茶碗に日本酒注ぎ、
鼻歌まじりに闇夜を見ます。ガタタンゴトトン音たてて、
通り過ぎます天の汽車。たった一夜の旅の宿、しかし
わたしは自由で豊か。この上何を求めませうか・・・
何時しかまどろみ、夜は更ける。


嗚呼、短い、短すぎる、でも旅に出たのだ。
この数年間のゴタゴタから忘れてしまっていた、この感覚。
感覚。誰にも理解出来ない、してくれなくてもいい、この感覚。
素敵じゃねえかよ。


ここで一旦UP