でっかく行こう!

かえりみちのない旅を

昨夜も書いた通り、「ノー・ディレクション・ホーム」を
観に行った。大阪でも観られるとわざわざ教えて
下さったid:kosketsさん、本当に有難う御座います・・・


上映される映画館「シネ・ヌーヴォ」は、地下鉄中央線
九条駅より程近い、静かな住宅街の中にひっそりとあった。
小さな、そう映画館というよりはライヴハウスを思わせる
ような佇まいで、座席は70席程と少ない。アート系の作品を
よく上映しているとの事らしいが、座頭市や悪名シリーズ、
松竹映画史などなど古い作品や、海外のドキュメンタリー、
あと、「シムソンズ」のように話題になった作品もかかるらしい。


受付でディランのCDを見せて200円割り引いて貰った。
因みに持って行ったのは何故か「血の轍(ブラッド・オン・
ザ・トラックス)」。「フリーホイーリン」とか、
「ブロンド・オン・ブロンド」辺りを持って行くのは
如何にもな感じがしての事だったが、どうでもいい話だな。
僕の前に入場した人も何かCDを見せていたけど、どの
アルバムかは解らなかった。何だったのかな?


客席の埋まり具合は大体7割方。まあ、こんなもんかな。
客層は20代〜4,50代までとやはり幅広い。笑い声も、
いや、話し声すらもほとんど無く、皆静かに上映開始を
待っていた。他の映画の予告編をたっぷりと見せられて、
いささか眠気を覚え出す。朝10時50分開始の部を選んだので
あるが、昨夜のお酒がまだ抜けておらず、もう少しで眠って
しまいそうであった。


そしていよいよ上映開始。2部構成で3時間半の長丁場だ。


・・・一瞬で眠気が吹っ飛んだ。としか書けない。御免。


第1部終了後、5分間の休憩があったが、要らなかった。
一気に観る事が出来たし、片時も画面から目が離せなかった。
勿論、僕がそれまでに情報として知っている事はいろいろ
あったし、ディランがニューヨークに出てくるまでの経緯は、
昨年読んだ「ボブ・ディラン自伝」に書かれていたので、
内容をすべてに於いて新鮮に感じた訳では無かったが、しかし
次々に映し出される貴重な映像にはやはり少しばかり
興奮してしまった。


特にエレクトリックギターを抱え、バンドを率いて大音響で演奏し、
賛否両論を呼んだ1965年のニューポートフォークフェスティバルの
映像と、映画のクライマックスでディランに向かって観客が
「ユダ(裏切り者)!」と叫び、ディランがそれに対して
「お前なんか信じない!」」と返し(実はそのエピソード、
ウラ話があるそうなのだけれど、ここでは置いといて)、
ライク・ア・ローリング・ストーンを演奏し始める、イギリス
公演での映像が流れた瞬間なんぞは、正直こころが震えた。
前者は写真でしか見た事が無く、初めてその演奏が聴けたし、
後者は、CDではずっと聴いて来たけれど、映像で観ると
如何に当時のディランの勢いが凄まじいものであったのかが
リアルに伝わって来て、恐ろしさすら感じてしまった。
大袈裟では無く。


僕の持っている海賊版CDでは聞き取れない箇所がある。
「お前なんか信じない!」と言った後、ディランはバックを
務めるバンド、ホークス(後のザ・バンド)の面々に
向かってこう叫んでいたのだ。


「Play it fucking loud!(でっかく行こう!)」


PAシステムもまだロクに無い時代。音響の調整は大変であった筈。
しかしそのような状況で、バンドは可能な限り大きな音で
演奏していたらしい。


新しいロックは、ディランによってここに誕生したのだ。

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もっともっといろいろ書きたいし、感じた事もあれやこれや
あるのであるが、どうにも自分の中でまとめられない。
数日置いて練り直してから書いてもいいけど、やめとく。
でも、どうしてもって思った事がこころに浮かんだら、
その時は書くかもしれない。


また観たいな、何度でも観たいな。でも上映期間中には
もう休みが無いから、あとはDVD化待ちだ。楽しみ。

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ああ、そうだ、唐突にこんな事思い出した!


「追憶のハイウェイ61」のジャケット写真について。
ディランはオートバイのプリントされたTシャツを
着ているけれども、それには「TRIUMPH MOTORCYCLES」と
書かれている。映画の中でも少し出ていたけれども、
当時ディランはトライアンフのオートバイに乗って
いたのだね。それで事故を起こして、長い半隠遁生活に
入っていく、と。自伝によると、隠遁中も何かと大変
だったらしいけど・・・


ついでに、ディランの後ろに立っている下半身のみ
写った男(ボビー・ニューワース?違うか?)が
手にぶら下げているのはライカを模したニコン
レンジファインダー式カメラだそうだ。ふうん・・・

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ここらが限界。寝る。また訳の解らないものを書いてしまつた。


でも、どうせならでっかく行きたいよな、男ならいや人間ならば!
あー、またクソ歌つくってどっかで歌いたくなってきた!!


もう駄目だ、寝る。明日もいい日にしてみせますよ。
ありがとうディラン!!