日々を慰安が吹き抜ける

ミケ

土曜日であったらしい。例によって僕には関係無い。
今日もいつもと同じさ変わらないのさ。


狭い休憩室。インスタントコーヒーブラックを
ゴボゴボガボゴボと飲み、他のヘルパーさんから
頂いたキットカットをポリポリとネズミのように齧り、
これまた他のヘルパーさんから「j-45ちゃん!
遠慮せんと食べや!」と無理からに頂いたきつね
どん兵衛を、スーパー玉出で買った2個100円の
不味いおにぎりと共に昼食として胃に叩き込む。


相変わらずだな。貧しいな。でも嬉しいな。
おばちゃんにだけしかモテないのはアレだが。

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「アンタも大変だな、俺みたいなアル中や
覚醒剤やってたヤツとか、キチガイ相手に
駆けずり回ってよう・・・悪ぃなあ」


ありがと。自覚してくれてるだけでもいいよ。
もう4月だよ、春だよ。桜見に行こうよ。
気が向いたらでいいからさ。

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疲れた。明日もあるけど、でも今夜は呑むぞ。


ところでだ。唐突な話だが、僕は決めた。連休を取る。
急には無理だから、そう、5月下旬あたりなんかに。
1泊2日くらいで、小さな旅に出ようと思う。


オートバイを甦らせる。今度こそ。絶対に。
今度こそライダー復活じゃ。たかが1泊2日、
されど1泊2日。今の僕には。


数ヶ月単位で旅をしていたあの頃よりも、
もしかしたらしあわせな時間を得られそうだ。
誰にも分かってもらえないだろうけど、
そんな考えが浮かんだ今日は、心が弾んだ。久々に。

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明日になれば忘れるかな?こんな嬉しい気持ち。
ま、いいか。なんでもいいや。も少し呑む。


春だ。途方も無く春だ。きっと何か始まる。
そんな感じに持って行ってやるさ。できるかな?
いや、やるんだ。


明日も少し忙しいけど、頑張ろう。
明日もいい日にしてみせますよ。
おやすみなさい。