干渉されたくない
僕が何人か担当しているアルコール依存症の
利用者さんの1人がスリップした。
スリップ。要するに断酒中に耐え切れずに
飲酒してしまう事。はてなダイアリーだと
スリップって文字をクリックしたら意味が
出ると思う。確かすっ転ぶという意味以外に、
飲酒云々の説明もあった筈だ。無かったらごめん。
その利用者さんは、しかしそれまで真面目に
断酒を続けて来ており、ガタガタだった身体も、
初めて訪問した頃とは比べ物にならない位
回復して来ていたのだ。ここまで来たのに・・・
残念だ。しかし一番残念がっているのは
やはり本人で。
気持ちの持ちようだ!弱いからそうなるんだ!
と言ってしまえばそうなんだけど、これって
病気なんだよな、やっぱり。
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例えば、だ。
三畳一間に小さなテレビがひとつ。
本を読む訳でも無い、ネットなんて
知らない、趣味も何も無い。
家族なんていない、友達もいない。
訪ねて来るのは、せいぜい身元引受けを
買って出てくれた福祉作業所の職員さん位か。
脚が弱く、そうそう遠くまでは出掛けられないから
1日中この狭っ苦しい部屋の中でテレビを観て、いや
見ているだけしかない。
こんな状況になってしまったら自分なら
どうするか。いや、なりたくないけどさ。
もしもなったとしたらだ。
ずばり、もう酒でも喰らうより他無いわな。
ええ、僕はそういう男ですよ。弱いんだ。
皆さんは、どうですか?
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この利用者さんは、これまで行く事を拒んでいた
作業所へ、明日から通ってみるらしい。
独りになりたい、誰にも干渉されたくない。
だから釜ヶ埼に流れて来た。しかし、いざ
本当に独りになってしまったら、こころが
おかしくなってしまった。そして何時しか
身体までもおかしくなってしまった。
独りじゃ、駄目だ。
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寝るか。今日は酒呑むのやめよう。
あ、そういや休肝日だったな、忘れてた。
実はあんまり守ってなかったんだわ。
干渉されたくない・・・か。フーム。
明日もいい日にしてみせますよ。
おやすみなさい。