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- アーティスト: NEIL YOUNG
- 出版社/メーカー: WEA
- 発売日: 2004/06/01
- メディア: CD
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殺伐とした気分。投げ遣りになりそうな気分の時、
何故かこの人の鼻にかかった頼りない歌声を
聴きたくなる。
自分がとてつもなく格好悪い奴だからそうなって
しまうのかもしれないので笑えてしまうのであるが、
全然格好をつけていない人、若しくは、それなりに
格好をつけているのだけれど、感覚的に「あ、このひと
ほんとの事言ってる」と受け止められたひとは、
何だか信用できるのではないかと思ってしまう。
立派な作品と言われるものよりも、
自分をみっともなくも曝け出している作品こそが。
本当はそうしたくなかったのかもしれないのだけれど、
そうせざるを得なかったのかもしれない作品こそが。
そうだ、「作品」とは立派であることから、如何にして
遠ざからなくてはならないか、だ。かな?そんな気が。
立派なものばかりつくろうとしているひとが、
どうにも目立つんでね。老若男女問わず・・・
やい、そんな「立派」なものすらつくれなかった僕はなにさ?
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最良の表現の手段を持ち、それによって生み出した、
その瞬間で「真実」である、との確信を、たとえ洗練とは
程遠くとも覚悟をもって他者に提示出来る才能あるひとは、
先ず、自身の喪失感や孤独感、閉塞感や劣等感に
目を向けるものなのかもしれない。そう感じる。
それは降って沸いたかのような成功を嬉々として
受け入れる図太さを持っている、ある意味幸せな
「凡人」には到底理解出来ない提示の仕方か。
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大切な人々を、無駄死にと言っていいであろう出来事で
失ってしまった状況から、歌は生まれたと。
泥酔しながらの録音であったという事で、ところどころで
潰れてしまう震えを隠せない声は痛々しくも、しかし
何故か抜けるような青空を僕に想い起こさせてくれる。
何故なのか解らないし、それでいいのだと思う。
歌も枯れつきたとばかりに、メロディをストーンズから
露骨にパクったりもしている。そしてわざわざ自分で
その事を歌詞の中でバラしている。それに、ど素人の
僕が聴いても明らかに編集が雑だ。
でも、それが何さ。
作者は、ただ瞬間を記録し、伝えたかったのだ。
時間を置きたくは無かった。完成度などどうでもいい。
その気持ちを抱いた瞬間を記録したかったのだ。
それが解る。そしてそれこそが大切なのだ。
創り上げた翌日には、もう違う事が言いたく
なっている位に瞬間に拘る切実さを信じたいのだ。
でも、その切実さはある時点で普遍性を持つ・・・
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このアルバムの作者のように、60歳になる今も尚、
若き日に抱いた純粋さ、切実さを信じて生きているひとは
ゆらゆらと不安定に揺れているようにみせながら、実は強い。
3月に動脈瘤の手術を受けながらも見事な復活を遂げ、
ライヴでは相変わらずキチガイ沙汰な爆音を轟かせて
いるという。その一方、家族や仲間をテーマにした
という暖かい内容のニューアルバムも発表したそうだ。
くだらない出来事でめげたり落ち込んだりしている僕は、
彼の様に、何が起ころうとも生涯走り続けるであろう
存在に憧れてしまう。そして明日を信じる力を貰うのだ。
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書き過ぎ・・・いつもの事だけど脈略の無い駄文失礼・・・
明日もいい日にしてみせますよ。おやすみなさい。