依存する時代 (前編)

仲良き事は美しき哉

今日から新規の利用者さんを担当する。



例によってあいりん地区のドヤ在住。



ついでにアルコール依存症



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彼を車椅子に乗せて、約30分かけてJR天王寺駅から
ほど近い静かな住宅街にあるクリニックへと。



そこはアルコール依存症治療の専門外来として、
大阪では数少ないクリニックだそうだ。




行ってみて目を疑った。




すごい数の人だ。さほど大きくない建物であるとはいえ、
外にまで多くの人々が集っている。



キタナイおっさん、スーツ姿のサラリーマン風、
若者、主婦っぽい女性、じいさんばあさん・・・



これみんな患者であるらしい。


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彼らはノックビンやシャーナマイドといった
所謂「抗酒剤」を服用しつつ(しないケースもあるみたい)、
極度に崩れた栄養バランスを少しでも整える為に
定期的に点滴を打ちに来ているそうなのだ。
この利用者さんも、それ。


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「抗酒剤」とは・・・・


体内にはアルコール分解酵素というものがあり、
飲酒時、この酵素の働きでアルコールは分解される
(民族・個人により保有量には差がある)のであるが、
抗酒剤はこの酵素の働きを阻止する効果がある。



するとどうなる?



そう、もし抗酒剤を服用しているにもかかわらず
飲酒してしまうと、人工的に極度の二日酔いを
引き起こしてしまうのである。



死にたくなるほど苦しむらしい。



それってやだよね。そうして思い知らせ、酒から遠ざける。



それでもスリップする人も多々いるが(僕が以前から
担当していたある利用者さんがそれ)。



だめじゃん・・・


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この新規の利用者さんはどの程度まで回復しているのか、
まだよく解らない。これから見極めていかねばならない。



彼が処置室に入るのを確認して、そこで一旦サービス終了。
1時間ほど天王寺界隈で時間を潰す。



その後クリニックへ戻り、点滴投与終了を確認した後、
また30分ほどかけて帰宅。これでサービスは完全に終了となる。



月・水・金曜日の3日間あり、僕は月・水の担当だ。
これからこのクリニックを定期的に訪れる事になるのか。


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18時より、あいりん地区某所にある福祉作業所にて、
アルコール依存症の日常的ケアについての勉強会が
行われる。



今日の利用者さんも、先に挙げた利用者さんも
ここの作業所に通所している。所長さんは
長らくあいりん地区のアルコール依存症患者に
多々接して来たそうで、様々なケースを挙げつつ、
ヘルパーがそういう人々にどう接するべきかを
あれこれ話してくれた。


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もし、明日僕にその気があれば、この勉強会の事を
少しばかり書こうと思う。



んで、今日は(前編)とする。

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帰宅は21時。



駅前にはストリート・ミュージシャン。
ギターを鳴らして大声で歌っていた。




以前みかけた若者と同一人物かどうかは解らない。
でも、とてつもなくへたくそなのは一緒だ。




なんだか心が痛かった。


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明日もいい日にしてみせますよ。おやすみなさい・・・