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認知症で情動失禁を
よく起こされる利用者
さんを担当している。
訪問介護は別事業所で
あり、僕の訪問は月に
一度の定期訪問の時位で
あらかたお任せしている。
今回は更新認定の為の訪問調査に立ち会うので、出向く事になった。
普段あまり訪問出来ていないので(担当が少ない癖してな)、この
機会にあれこれお話を伺えればなあと思っていた。
訪問調査員とのやりとりは結構滅裂であり、途中で何故こんな事を
聞かれなければならぬのだと怒り出した。
調査終了後、訪問介護事業所の方と「今要介護1だけど、症状悪化
してますし、どうにか介護度上がってくれませんかねぇ・・・」
などと話し合う。現在のプランでは限度額一杯で結構きつい。
そんな事ばかり考えていた。
利用者さんが 「あんた、j-45さんだったっけ」と、ぽつりと。
あれ、俺の名前、ちゃんと覚えていてくれてたの? いつも
門前払いだったような・・・お会いする度に怒ってばかりいた
ような。
バリデーションの手法を思い出して、少し試してみる。
付け焼き刃でしかないが。ひたすらの傾聴に徹する。
問題ありとしているのは僕達介護者であり、ご本人はいたって
正気だ。認知症を患っておられようが、どうだろうが。
自身を正気だと思っているのに周りはおかしいと諭している。
だからその矛盾が許せない。認める訳にはいかない。そして怒る。
そうだね、あなたはキチガイでも何でもない。そうなんだ、
一人の実生活者なんだよね。病を抱えていても。あなたがいる
この場所は、精神病院なんかじゃない。そうです、あなたの家です。
教えて下さいな、あなたが生きて来たこれまでを。
教えて下さいな、あなたが生きているこの世界を。
僕は、もっと知りたいのです。あなたの担当ケアマネとして。
あなたに関わる介護員は、仕事に追われてあなたを知る時間が無い。
せめて、制約があまりない僕がその知る時間を。
テキストよりも、生きているあなたに関わる事こそが僕の学びだ。
寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。