変わりゆく天王寺

ちょっとした買い物が
あり、昼から天王寺
近鉄百貨店に行った。


この界隈は以前は仕事で
しょっちゅう行っていた
のだけれど、最近は
あまり来る事も無くなっていたのだった。


暫く前から界隈は地区再開発の工事が進んでおり、かつては隣区である
西成区から運ばれた猥雑さが立ち呑み酒屋など古めかしいスタイルの
店々に現われていたのであるが、今やその影も形も無い。正に払拭
されている。


巨大なショッピングモールが出現するらしい。イトーヨーカ堂
ユニクロや、ミドリ電化東急ハンズなんかもテナントとなるようだ。


僕はキタやミナミよりも、何故かこの天王寺が好きだ。
1970年代、大塚まさじと云う人の歌った「天王寺想い出通り」の
歌詞に出てくる猥雑さや色っぽさに憧れていたきらいもある。
尤も僕がその曲を聴いたのはつい近年の事だけど。


この天王寺の、とある所で働いているあの娘は、今もまだその場所で
働いているのだろうか。短い移ろいの中で、僕はどんどん変わってしまい
当たり前のように出入りしていた場所にも、最早脚が遠のいてしまった。
当たり前のように過ごしていた日々は、気がつくと二度と戻れぬ日々に
なっていた。


人が変わるのだから、その集まりである街もやがて変わる。
当たり前の事だ。でも、もしかしたら取り返しのつかない事を
しているのかもしれない。


時は容赦なく流れている。街の顔も、人のこころもどんどん変わる。
僕の好きな天王寺は、もう想い出の中。


近鉄百貨店の地下で、美味しいメンチカツを売っている店を
みつけた。そいつを買って、帰宅。また買いに来よう。そしてまた
変わってゆく天王寺も見に来よう。


寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。