終わったが、始まった。


タクシーで帰宅すると
午前3時を廻っていた。
かなり疲れていた。
でも・・・・・


西成で仕事を続けて来た
その最終日は、嬉しい事の
連続だった。


挨拶廻りの先では利用者さんやら職員さんやらから、実に暖かい
見送りを受けた。


僕は実力が伴わなかった。失敗も数知れずだった。でも、様々な
方々の助けを借りつつも、自分なりに必死に仕事に取り組んで来た。
能力の無い自覚から、フットワークだけは軽くしようとどうにか心掛けた。


皆さんからの暖かい言葉は、至らなさばかりであったこんな僕にとっては
これまでの労苦の全てを認めて頂けた様な、本当にありがたいものであった。
頑張って来て、心底良かった。人生には、きちんと報われる事があるのだ。


17時34分。訪問介護員として、最後のサービスを実施終了。
18時20分。サービス提供責任者として、最後の事務処理を終えた。
これをもって、全ての業務を無事終了させた。


思ってもみなかった事に、経営者からかなり立派な花束を貰った。
色々とあったが、全て洗い流せそうな心持ちである。そして、職員さん
から立派なプレゼントも頂いた。他のサ責に全てを任せ、タイムカードを
押し、見送られつつ事業所を出た。


朝からの雨は、ひたすら降り続いている。でも、悪い気はしなかった。

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ヘルパーさん達が、僕の送別会を開いて下さると云う。直前まで知らされて
いなかったので、実は大層驚いた。


僕も大概人づきあいが悪い。そんな男の為に、皆さん集まって下さったのだ。
何と、早春に退職した元主任も来て下さった。僕を転職先の事業所に
引っ張ろうと尽力して下さったが、間が悪く叶わなかった事と、僕が次の
行き先も決まらぬままに退職する事を大層気に掛けていてくれたらしい。


居酒屋で、2次会のカラオケで、3次会のあるヘルパーさんのご自宅で
(すみません夜中にも関わらずお邪魔しちゃって・・・)あっと云う間に
時は過ぎた。気が付けば深夜2時を廻っていたのだった。


皆さんと別れ、深夜2時半頃、ひとり国道でタクシーを拾った。
運転手さんに行き先を告げ、ドアが閉められた。


その瞬間、長らく続いた僕の西成での日々が、終わった。

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花は、やがて枯れる。転がる石も、やがて固着する。 だが、しかし。


面接先からの連絡は、まだ無い。週明けには職安にでも出掛けてみるか。
この日記を書いている6月19日午後12時45分頃、TOPの写真にある
介護支援専門員登録通知証と、カードサイズの介護支援専門員証が
簡易書留にて届いている。 終わったが、始まったらしい。


花は、やがて枯れる。転がり続けていた石も、何時しか固着する。だが、しかし。


少しのんびりしてもいいのかもね。
明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。