2003年・旧東海道徒歩旅



2003年11月20日(木)雨。
旧東海道徒歩旅。その
9日目。


静岡県掛川市のはずれに
ある、山あいの小さな
宿場、旧「日坂宿」。


昨夜はこの「日坂宿」にある事任(ことのまま)八幡宮にて野宿した。
枕草子にも記述が見られ、坂上田村麻呂が興したと云われる古社だ。
願い事が「事のままに叶う」らしい。それならばと幾つも無理矢理に
お願い事をしてみた。そのうち、2つほどは叶ったと思う、うむ。感謝。


5時起床。食パンにスライスチーズを挟んだものと、昨日職務質問
受けた際、僕を職質したおまわりさんから頂いたミカンで朝食。
食べ終わって間も無く、宮司さんがやって来たので驚いた。神宮に
野宿してしまった非礼を詫びたが、「いいですよ」と。御免なさいね。
まだ夜も明けきらぬ雨の中、6時半出発。

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トラックがぶっ飛んで行くR1をジワリと進む。朝っぱらから調子が出ない。
暫く進むと国道を逸れるが、それでも交通量は多い。しかし道は分かり易く、
やがて商店街の中の旧「掛川宿」へ。平成6年に復元された掛川城天守
などカメラに収めたりする(TOPの写真です)。此処の旧街道沿いの商店街も
やけに人気が無いのだが、これが新幹線が停車する町なのか?と思ったり
してしまう。どうやら旧街道沿いは何処もその町の中心部から外れてしまって
いる所が多い様だ。しかしJRの駅界隈はやはり賑わっており、鉄道や幹線
道路が通る事の意味の大きさを改めて知る事となる。


旧「掛川宿」を離れると、東海道はR1と並行する。やはり静かなルートで
淡々と進む。
 

雨の日は休憩する場所が限定されてしまうので面倒だ。普段なら適当な場所に
適当に座り込めば良いのだが、どうしても屋根の有る場所を探さねばならない。
でも今日はそれ程の降りでは無いので、レインポンチョを出さずに済むのは
ラッキーだ。次の「袋井宿」に近付いた所にあるサークルKで昼食。今日も
カップめんとおにぎり2ヶという情け無いメニューだ。


静岡県袋井市の中心部に向かえばそこはかつての旧「袋井宿」。ここは何と
東海道の「どまん中」! 江戸からも京都からも数えて27番目の宿なのだ。
「どまん中小学校」に



「どまん中茶屋」



「どまん中酒店」etc...何かと「どまん中」にこだわっており、こちらも
「おお、この旅もどまん中なのか」と妙に感動したりする。小さな宿場町では
あるが、こういうこだわりは何だか悪くない。21世紀東海道旅人は少しばかり
ニンマリしてしまうのでありますよ。


旧「袋井宿」の外れには、「棒鼻」と呼ばれた宿場の出入り口にあった門の跡が。



さて、旧「袋井宿」を通過すると、東海道はR1に合流した所で今度は大日山と
呼ばれる細い上り坂に掛かり、僅かにR1を逸れる。しかし(例によって)
ミスコースした様で、本来のルートより早くR1に戻ってしまう。この辺りは
どうも台地になっているらしく、道はやがて下りに。掛川と同じ様な商店街に
出ればそこは旧「見附宿」。現在の静岡県磐田市だ。「見附」の名の由来は、
西から来た旅人が初めて富士山を見つけるので・・・との事。へぇぇ・・・
ウーム、いいですなあこういう安易な(?)ネーミング。


旧「見附宿」本陣跡から少し進むと、浜名湖の北岸を通って旧「御油宿」に
至る脇街道姫街道」との分岐がある。女性の旅人が多く利用した事から
この名がついたらしい。浜名湖には渡し船があるので、わざわざぐるりと
廻り道などせずとも・・・と思ったのであるが、浜名湖を渡った先に
ある旧「新居宿」は「女改め」(女性の旅人に対する通行管理、かな?)が
随分と厳しかったらしいので、このような脇街道が発展したのかもしれない。


姫街道」との追分にある道標など見つつ、JR磐田駅へ向かう商店街を
南に折れる。追分から駅までは1km以上あり、随分歩かされ、廻り道をした
気にさせられる。駅前よりまた西へ。


天竜川へ向かう道は緩い上りに掛かる。約3kmに及ぶ道程で、ゼイゼイ云い
つつひたすら歩く。そしていよいよ天竜川。川に架かる橋には何と歩道が無い!
これには大層焦った。夕方のラッシュにぶつかり、車の流れは滞っているので
まだマシだが、やはり良い気はしない。でも日没前に橋を渡れて良かった。



昔の船着場跡より浜松へ向かうルートへ。今日の目的地、旧「浜松宿」は
まだ遠い。2度の休憩を挟み東海道はようやくR152に合流。今夜もまた脚を
ガクガクさせつつ19時前、雨の中JR浜松駅前に到着。そこからタウンページを
見て駅近くのビジネスホテル「ホテル松本」にTel。空いていたので、そこにて
投宿とする。税込み6,825円と高いが、「東海道どまん中通過記念」と無理矢理
称してこれで良しとする。早速部屋のユニットバスで入浴と洗濯。


一休みしてからガイドに載っていた、ホテルのすぐそばにある鰻料理店へ。
浜松と言えばやはり鰻。しかし・・・店頭の品書きには値段が書いていない。
例によって貧乏でケチケチな僕は店から漏れて来る匂いのみ嗅いでそそくさと
退散。何時もの様にコンビニへと向かう。


僕は、自力のみで此処まで来た。自分の脚力のみで。
21世紀東海道旅人は今、半分の道程を過ぎました・・・

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8月以来の「21世紀東海道旅人」カテゴリです。例によって当時の
日記からの転載と加筆・修正のみなので書くのは極めて簡単。んで、
こうして無駄にズラズラリー。


先週は少々疲れてしまったのですからして、本日のお休みは滅多に
やらない終日引き篭もり状態にてゆっくりさせて頂きましたのでした。
って、何時もの事か・・・あ〜、また今回も引き篭もっちゃったぜ。
予定していた部屋掃除も結局やらなかったし。


まだ17時台か。早くに書き終えたからして、今夜はとっとと眠って
しまおう。明日からもまた大変そうだし。


明日もいい日にしてみせますよ。ではまた。