第3回大人の(?)遠足

信号待ちする8DR氏

8月25日土曜日、晴。


ひと月以上前から計画
されていた8DR氏との
キャンプツーリング。


8DR氏とは、何と10年振りの
キャンプツーリングとなる。



今から10年前、僕は各地の(主に未舗装の)林道を巡りながら
日本を一周するという旅に出ていた。6月の或る日、福島県の山奥の
林道脇の広場で幕営していた僕を偶然見つけ、話しかけて来た
オフロードライダーこそが、実はこの8DR氏だったりする。
当時の彼は山形県南陽市郊外のキャンプ場をベースに、周辺の
林道を走破しており、県境を越えた福島県にも脚を伸ばしていた。
彼は僕同様に北上し、北海道へ・・・しかし逢えず仕舞いで。


その後年賀状などのやりとりはあったが、直接会う事も無く、
山形で別れてから8年の月日が流れた。


再会のきっかけはこの日記(かな?)。


2006-02-19 林道日本一周の日記より Vol.5


当時の事を書いた文に、彼はコメントをくれた。そしてまた一緒に
ツーリングに行こうと誘って貰った。今回は、3度目のツーリングとなる。

_________________


さて本題に。TOPの写真はR25とR165の分岐点付近。大阪府柏原市
僕達はR165へと折れる。何だか妙に混雑している。どうも新しい
高速道路を建設しているらしく、ダンプカーが異常なまでに幅を効かす。
奈良に入ってからは県道30号にスイッチ。葛城山金剛山二上山といった
大阪・奈良県境の山々を右手に。このルートも結構混んでた。参るね。
ひと山越えて来たってのに、まだまだ暑い。湿気は纏わり付いて来るようだ。
ややストレスを溜めながら、ガンマとジェベルはジワリと走る。


御所市名柄交差点よりR309へ。雰囲気がローカルなものになって来て、
ちょっとホッとする。吉野郡大淀町にて昼を迎える。ライフ大淀店で
昼食及び夕食の買い物を。8DR氏は夕食については事前に用意して
いたそうで、パン等を少し購入したのみ。何と発泡酒も持参して
来たとの事。一方の僕はといえば、食料に関してはなーんの用意も
出来ず仕舞いで。ライフにてどんどん買い出す。500ml紙パック焼酎の
購入も忘れないのだぜ。あ、発泡酒は・・・忘れた。まあ現地で
どうにか調達しようか。


昼食にはミニおむすび弁当を。パンをかじる8DR氏と、懐かしい話に興じる。
「当時のSUZUKIジェベルやDRのデジタルメーターって斬新でしたよねえ」
「すげー!トリップ(メーター)2つもついてるよー! って感じだよねえ」


この大淀市からは、R169とR370の共用区間を行く。吉野川に沿う、
穏やかなルート。クルマの流れはまずまずだったかな。吉野郡吉野町
より国道は分岐し、僕達は吉野川の源流を遡るR169へと折れる。
ここまで来ると、目的地としている吉野郡川上村にある入之波(しおのは)
温泉まではあっという間だったりする。僕の地元から、何とたったの100km程
だった。14時には無事に野宿地を見つけてしまう。美しい水が流れる川原。
地味だが、あらゆる喧騒から乖離した別天地だ。8DR氏は随分前にこの地を
人から教えて貰ったらしい。久々の再訪だとの事。


川に浸かってみた。8DR氏は用意周到にスパッツを履いて(後で聞くと、
別段用意していた訳では無く、ライディング用のアンダーウェアだった
らしいが)。僕はと云えば周囲にだあれも居ないのに調子づいて、ええいと
すっ裸(!)で。暑気が一気に抜ける。川に浸かるなんて、何年振りだろう。
お陰で、入之波温泉には行かなくともよくなった。お金払って温泉よりも、
川に浸かれば充分満足。


温泉地まで戻って僕は発泡酒、もといビールを購入。キリンラガービールだ!
いつもいつも発泡酒だけれんども、たまにゃあ贅沢せにゃ。つーか、それしか
売っておりませんでしたもんで。



小さな焚火を熾す。8DR氏持参の網を乗せ、更に8DR氏持参の肉を焼く。
この日記で僕が少食気味である事を度々書いていた事を気遣って
くれつつも、肉を食べなきゃ駄目ですよと、どんどん焼いてくれた。
嬉しいですなあ・・・ 因みにブロックで覆っているが、このブロックは
何故か川原に放置されていたものを使用。この際だから有効利用させて
頂きましたよ。どうせクルマで来たファミリーキャンパー連中あたりが
捨て置いて行ったのだろう。どうにかクルマでも進入出来る場所だった。


日没後の19時過ぎにはどうやら早くも酩酊していたような気がする。
記憶には無いのだが、もしかしたら僕はクダを捲いたかもしれない。
仕事の話は一切しないつもりだったのに、8DR氏からは聞かれも
しなかったのにきっと僕はクダを捲いたかもしれないな。
持参のブルースハープを少しばかりプヒーとやらかしたのは、どうにか
憶えているが。ああ恥ずかしい。変わっておりませんこの僕のアホさ加減は。


携帯の電波は届かない山奥。携帯から日記を更新する必要は無くなった。

_____________________


起床は朝7時過ぎ。8DR氏はもう既に起きており、再び焚火を熾し
コッフェルでご飯を炊いていた。僕は昨夜何時眠りに就いたのか
もうひとつ合点がいかぬまま。しかしきちんとテントの中で、
きっちりとジーンズも脱いでシュラフ(寝袋)に潜ってました。
結構きっちり呑んでしまったようでして。


昨夜残しておいたサラダと、ご飯党の僕にしては珍しく購入した
菓子パン、キャンピングガスで沸かしたお湯で作ったインスタント
コーヒーにて朝食を。一方の8DR氏は、焚火で炊いたご飯に
レトルトカレーをかけて朝から元気にカレーライスを。
食いきれないので少し食ってくれとの事でひと口貰う。美味かった。
10年前の僕ならまだまだ朝から食えたよなあ・・・カレーライス。

____________________


出発は9時頃。爽やかだった朝は、しかし今日も暑さに纏わり憑かれる
様相を呈し始めていた。山奥なのにもう暑い。


元気に出発したガンマとジェベル。とこーーーろが!!!!!


出発して間も無く、ガンマがスローダウン。何度もキックスタートを
試みる8DR氏。まあ2スト車だし、始動にコツが要るみたいだし、でも
そのうちかかるだろう・・・なんて軽い気持ちで見守っていた僕では
あったが、どうやら事態は深刻に?



8DR氏はガンマのプラグを外し、オイルが被っている事を確認してから
ライターで焙り、乾かしてみる。2ストバイクの場合、こうすれば結構
すぐに復帰出来るのだけれど。そして僕も手伝って押し掛けしたり
何度もキックペダルを踏んづけたり。だけどどれだけやってもガンマは
生き返らず・・・結局8DR氏、ガンマは現地に放置して帰るという判断を下した。



こんな感じで。バッテリーとナンバープレートは外す。
軽トラを調達して、後日取りに行くとの事。あれまあ!!


仕方なく僕のジェベルに2人分の野宿装備と大人2人を乗せる事に。
R169を元来たとおりに引き返す。運転する僕はタンデムは久し振りだし、
しかも凄い大荷物だ。結構緊張しちゃいましたよまったく(笑)。
65km/h以上怖くて出せねぇや!! でも愉しい経験でしたよ。


大淀町近鉄奈良線下市口駅までの数10kmをトロトロと走る。
8DR氏は近鉄沿線にご実家があるらしいので、そこで下ろしてくれたら
良いのだとの事。丁度正午頃到着。かんかん照りで暑かったね。
12時26分あべの橋行きの列車を待つ間、僕は駅前のショボイ
土産物屋にて奈良名物で僕の好物な柿の葉寿司を購入したりして。
そして大荷物とヘルメットを抱え、列車に乗り込む8DR氏をお見送り。


独りになった僕は、その後R24にスイッチし、五條市へ。
サティ五條店にてミニ鮭弁当を購入して昼とする。駐輪所に
ぺたんと腰掛けて、昔の、20代の頃のように昼とする。
通りすがりのじいさんが「兄ちゃん、暑いのにえらいの」と。
「お盆休めなかったから、今時休んでんですわ」と答える。
懐かしいな、この感覚。地べたに腰掛け、昼とするこの感覚。
じりじりと照りつける日差し。塩の浮いたTシャツ。ごくごく
飲んだウーロン茶。あの頃のまま元気に走ってくれるジェベル


随分変わったようにも思うが、結局僕はそんなに変われていないようだ。
いいんだか悪いんだか。



和歌山県に入り、橋本市から北上。写真は橋本市を見下ろすR371より。
紀見峠へとどんどん上る辺り。河内長野市に至り、大阪外環状R170へ。
そのまま一気に海へ。府道29号大阪臨海線は10数年前からの僕の
御馴染みの大好きなルート。紀伊半島の旅の終わりには、幾度となく
このルートが旅の最終路となったものだったっけか。


15時前には無事帰着。早い帰着で明日からの仕事に影響を残さず済むのが
嬉しいじゃあないの。明日からもまた西成で大変な日々なのだから。
本当に久々のキャンプツーリング。たったの1泊2日だったけれど、
しかし西成で行き詰まりつつあった僕には、素晴らしい気分転換に
なりました。誘ってくれた8DR氏には、大いなる感謝を。


今回の野宿地は、そんなに遠くないし、その割に世間から一気に乖離
出来るし、結構穴場だったのではないだろうか。是非是非再訪したい。
一人で行ってもいい。少し世間離れしたくなった折には絶好の場所かも。

___________________


うわあ、長くなっちゃった。こんなに長々書いて、誰が読んで下さると
言うのか・・・でも何でもいいや。書きたい事がどんどん書けましたよ。
これでいいのだ。好き勝手でいいのだよ。


早い目に寝ますか。明日からも西成で、また。いつものように。
明日もいい日にしてみせますよ。ではおやすんみ。