発病以前
新しい利用者さんのお宅を訪ねる。
統合失調症の方だ。やはりあいりん地区在住。
かつては家族で生活していたらしい。今はひとり。
いろいろと多才な方だったようだ(過去形になってしまうのか)。
何かの資格も持っているらしいし(資格の証書があった)、
古い国産の「ジャガード」ブランドのギターがあったり
(他にもバンジョーなどがあるらしい、今は全く弾いていないようだが)、
極真カラテの大会で2位になった事もあったらしい(メダルがあった)。
発病以前はアクティブに活動されていたのであろう。でも今は・・・
ちょっとロレツが廻らないのと、やはり動きが鈍いのが気に掛かる。
食事などは障害者会館の喫茶室で行なっているらしい。
夕食は介護サービスの会社から(だと思う)弁当が宅配されていた。
よって食器らしい食器といえばティーカップくらいのもの。
1人暮らしには広いくらいの部屋を掃除し、洗濯を行なう。
意外にも大きなオーディオセットがあった。
使われなくなって久しい様子だし、「レコードプレーヤー」だったが。
音楽が好きな方らしい。
これまで入っていたヘルパーが辞めたので、これからは僕が
レギュラーで入る事となった。
この利用者さんの過去について、そして発病以前の事に
ついても、僕はやがて知るのであろうか。
様々な想像を巡らせてしまう。
人生って、何処でどう変わってしまうのか解らないな。
この僕だってどうなる事やら・・・でも・・・
明日もいい日にしてみせますよ。それしかないもんな。