つくりかけ

退職までの実働は
僅か7日間となったが、
事情から少し遠い
街にある病院で
行なわれるカンファ
レンスに参加した。


知らない街を訪れる
感覚って、結構愉しい。
利用者さんが無事退院出来る事となったのがその愉しい気持ちの
追い風にもなっていた。様々な問題はあるが、問題なく生きて行ける
人生なんてどうせ何処にもない。せめてその問題が少しでも軽くなり、
心身ともにのしかからないものになってくれたらいいなと思っている。


もしもこの先もこの仕事を続けられるのならば、そんな気持ちを
忘れないようにしたい。綺麗事だと人は云うかもしれないが、
綺麗事だと憚らずのたまい嘯く連中よりはマシだろう。だって
そいつらははなから本来の目的を捨てているのだから。僕だって
別段正攻法のみで仕事をしている訳ではない。でもそれはズルを
する為ではなく、正攻法を主張すると良い顔をしない経営側の
方々の目を誤魔化す為の手段である。僕は少なくとも制度に則って
基本は押さえているつもりだ。だが、所詮微力でしかない事は百も
承知でも何か利用者さん達の一助となれないかと常に考える事も
忘れないように。誰に解って貰えなくとも。そんな事は当たり前の
事だろう。ケアマネは、支援の裏方にあたる存在だと僕は勝手に
思っている。


帰路、知らない街の商店街。師走の慌しさの中を何時もより
速度を緩めて歩行する。こんな何気ない風景が大好きだ。派手さは
なくともそこに人々が確かに生きている。上っ面ではなく、清濁
併せ呑み込みつつそこに在る実生活者として、いい奴もいやな奴も。
商店街を歩きつつ、正攻法だの綺麗事だのと莫迦みたいにぶつぶつ
呟きながら、僕はそれまでの日々を俯瞰するように通り過ぎてみた。


寝ます。明日もいい日にしてみせますよ。ではまたね。